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マスコミの書き換えにより、消えてしまったリスペクト──僕が発したままの言葉を届けてほしい【In the brain】

  • 2021年11月25日(木) 18時03分
VOICE

▲今回のテーマはメディア対応について (撮影:桂伸也)


今週はテーマを設けて川田騎手の脳内を紐解いていく「In the brain」です。テーマは前回のブリーダーズカップの回顧でも触れた、メディア対応について。ジョッキーの中でも、特にメディアに対して慎重な姿勢の川田騎手。徹底した“自分ルール”を設けています。その裏にある、川田騎手の本音とは。

(取材・構成=不破由妃子)

慎重に言葉を選びつつも、本当のことしか発していない


 ジョッキーのレース前後のコメントは、文字であれば、記者さんを通してファンのみなさんに届けられます。ブリーダーズカップの回顧でも少し触れましたし、昔から思っていることでもあるのですが、なかなか正確に伝わらないことが多いのが現実です。

 紙媒体であれば紙幅があり、文字量がおのずと決まってくるので、記者さんが苦心しているであろうことも想像ができます。限られた範囲で、できるだけ読者の興味を引くような記事を書くことが、プロとしての仕事であることもよくわかっています。

 ただ──。間違った解釈、安易な割愛や脚色で、意味合いが180度変わってしまうことがあるのも事実です。実際にそういった齟齬があり、「お前、あんなことを言いやがって!」と関係者を怒らせてしまったこともあります。

 怒っているのが、調教師や厩舎関係者だったらまだいいんです。直接お話をさせてもらって、誤解を解くことができますからね。ただ、オーナーとなると、簡単にお会いできる方ばかりではないので、それが難しい場合がある。

 そういったことが繰り返されると、言葉は悪いですが、表面的というか、発する言葉にすごく慎重にならざるを得なくなる。ただひとつ、自信を持って言えるのは、レース前にしろレース後にしろ、慎重に言葉を選びつつも、僕は本当のことしか発していません。

 多くの方が関わり、それぞれに立場があっての競馬ですから、言いたくても言えないことももちろんありますが、僕はその“言えないこと”についても、嘘でごまかしたりはしません。

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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