2戦の内容上々、前走は圧巻の走りで期待膨らむ
2歳牝馬の評価はまだまだこれから大きく変動するが、ここへきて人気急上昇のナミュール(父ハービンジャー)に注目したい。ハービンジャー産駒だがパワータイプではなく、収縮力あふれるバネを生かし、小柄でもフットワークは大きい。
新馬戦の中京1600mは超スローで展開したため、勝ち時計は1分39秒0。あまりにも平凡だが、残り400m標識で先頭に立つと最後の2ハロンを「10秒8-10秒7」。2歳牝馬の新馬戦ではありえない加速だった。
2戦目の赤松賞1600mは一転、初戦より5秒2も速い1分33秒8(今回のメンバーでは最速の持ちタイム)の決着になったが、中位追走から4コーナー手前で先行勢を射程に入れると、まだ先頭のパーソナルハイ(今回も対戦)と5馬身以上も差があったのに、差し切りを確信した三浦皇成騎手は軽く追っただけ。それで上がり33秒0。再三ムチが入っていた新馬戦よりずっと楽に勝った。今回は短期免許のC.デムーロが乗る。
また、母サンブルエミューズ(父ダイワメジャー)は、世界を驚かせた米BCディスタフの勝ち馬マルシュロレーヌ(父オルフェーヴル)と姉妹。父が同じサンデーサイレンス系なので、全姉妹にも近い血を持つことも大きい。
能力とは関係ないが、新馬で2着に下したスコールユニバンスも、赤松賞2着のパーソナルハイも、偶然とはいえマルシュロレーヌの矢作調教師の管理馬。マルシュロレーヌ(矢作調教師)の運気は伝播し、同じ牝系のナミュールに及んでいるのかもしれない。
3代母キョウエイマーチは、1997年の桜花賞馬。一族の祖になるクインナルビー(1953年秋の天皇賞馬)は、オグリキャップの5代母であり、マルシュロレーヌの7代母。ナミュールの場合は8代母になる。世界に知られることになったファミリーである。
国枝厩舎の期待馬サークルオブライフ、牡馬コマンドラインと好勝負だったステルナティーアが強敵だが、1800mを快時計で勝ってきたスタティスティクス、ラブリイユアアイズ、ウォーターナビレラなど、ライバルの将来性も見きわめたい。