連覇した馬の血を持つのは…

　人気のエフフォーリア(父エピファネイア)には、強気になれる材料がある。父は3歳時の有馬記念に出走していないが、祖父シンボリクリスエスは3歳だった2002年にこのグランプリを制した。日本ダービーは惜しい2着だった。秋に古馬の強敵相手の天皇賞(秋)をエフフォーリアと同じ3番人気で制した。ジャパンCは3着。その勢いに乗って有馬記念を勝っている。

　エフフォーリアにとり、シンボリクリスエスは父方祖父ではあるが、この血統背景はこと有馬記念では重要。史上、有馬記念を連覇した馬は4頭。

スピードシンボリ(1969、1970年)
シンボリルドルフ(1984、1985年)
グラスワンダー(1998、1999年)
シンボリクリスエス(2002、2003年)

　初代連勝馬スピードシンボリは、種牡馬としてそう成功したわけではないが、十数年後に有馬記念を連覇したシンボリルドルフの母の父は、スピードシンボリだった。

　母方祖父に続いて連覇したシンボリルドルフの代表産駒トウカイテイオーは、1年もの長期休養明けで1993年の有馬記念を勝った。

　3頭目のグランプリ連勝馬はグラスワンダー。その十数年後、2015年の有馬記念を制したゴールドアクター(父スクリーンヒーロー)の祖父は、グラスワンダーだった。

　有馬記念を連覇したほどの名馬は、傑出した力量だけでなく、難しい中山2500mの勝ち方も伝えるのかもしれない。その血を持つ馬が次つぎに有馬記念を勝ってきた。

　今年の出走馬で、有馬記念を連覇した馬の血を持つのは、その血統図にシンボリクリスエスが登場する馬だけ。

　アカイイト(母の父シンボリクリスエス)。そしてエピファネイア(父シンボリクリスエス)産駒である、アリストテレス、エフフォーリアの3頭。

　急速に強くなっている牝馬アカイイトも、朝日杯FSを制して絶好調の武豊騎手のアリストテレスも侮れないが、エフフォーリアの成長曲線は祖父シンボリクリスエスに似ている。母方の祖父ハーツクライは、ディープインパクトを封じて有馬記念を勝っている。

　有馬記念を2回制した馬は史上2頭いる。

オグリキャップ(1988、1990年)
オルフェーヴル(2011、2013年)

　種牡馬オルフェーヴルは、果敢に直仔メロディーレーンを挑戦させる。