ジョッキーの鎧についてファンから質問!(撮影:高橋正和)
今週のコラムはユーザー質問です。騎乗スタイルの中で、ジョッキーそれぞれの個性が見えるのが鐙の長さ。ミルコ騎手は昔から長めだと言いますが、そのメリットとデメリットを解説します。
(取材・構成=森カオル)
Q「ミルコさん応援してます! 質問ですが、競馬と乗馬において、鐙の長いときと短いときのメリット、デメリットを教えていただきたいです(温かいお茶さん)」
ミルコ 僕はジョッキーだから、乗馬に比べれば鐙は短いけど、ジョッキーのなかでいうと、そこまで短いほうではないですね。もっと短くして乗ってる人もいるね。
──その長さには、やはりみなさんこだわりがある?
ミルコ そうだと思う。僕の場合で言うと、若いときは落馬のリスクを全然感じなかったから、今より短くして乗ってました。でも、キャリアを積んで落馬の怖さを知ると、当然落ちたくないと思うでしょ? で、少し鐙を長くするようになった。
──鐙が長いほうが、やはり安定感がある。
ミルコ 馬が急に斜行したりしたときに、鐙が短いとバランスを取るのが難しいですね。とくに日本の馬はヤンチャな馬が多いから。ヨーロッパの馬は、返し馬でもすごくおとなしくて落ち着いているから、短い鐙で乗っていても全然問題はないけどね。
まぁ昔から僕は少し長めでしたね。なぜなら、アメリカの乗り方が大好きで、ああいうふうに低い姿勢で乗りたかったから。鐙が短いと、どうしても低くはならない。だからわざとちょっと長くして、低い姿勢で乗るようにしてた。今もそうだけどね。
──鐙が短いとバランスを取るのが難しいとおっしゃっていましたが、当然メリットもあるわけですよね?
ミルコ カッコいいこと! 長くしたら足がブレるけど、短いとそのぶん力が入るからブレない。
──ライアン・ムーア騎手などは、鐙を長くしてわざと足を動かして、それを推進力につなげているような。
ミルコ そう、彼は