
▲天皇賞・春をタイトルホルダーと仲良く勝利(C)netkeiba.com
昨年はキャリアハイの79勝を挙げ、今年はタイトルホルダーで天皇賞・春を勝利。GIジョッキーとなりますます飛躍が期待される横山和生騎手。今回はそのタイトルホルダーについて、弟である武史騎手から乗り替わった経緯や無我夢中だったという直線について振り返っていただきました。
また、オークスで初コンビを組むライラック。この中間にコンタクトを取った際の印象についてもお話をうかがいました。
(取材・文:佐々木祥恵)
まず今週。そしてそれが終わったら今週よりもさらに来週…。
──GIは12回目の挑戦で今回初勝利となったわけですが、お気持ちをお聞かせください。
横山 本当に嬉しかったです。
──レース前、自信はありましたか?
横山 タイトルホルダーと仲良く走ろうと競馬の前から決めていましたし、その点に関しては自信がありました。うまくコンタクトも取れましたしね。
──結果的に7馬身差の圧勝でしたが、勝てると思われたのはどのあたりでしょうか?
横山 近くにカラ馬がいて気が抜けませんでしたし、GIで無我夢中ということもあって、ゴール板過ぎるまでははっきりわからなかったです。
──それまでは弟の武史騎手が乗っていましたが、有馬記念で和生騎手に乗り替わりになりました。その経緯を教えてください。
横山 有馬記念の前に、栗田先生から有馬記念は空いているかどうかのメールが来ました。それで空いてますと返事をしたところ、翌週競馬場で会った時に、有馬記念の騎乗を依頼されました。
──昨年キャリアハイの79勝を達成されましたが、飛躍のきっかけは何かありますでしょうか?
横山 僕の中では特に何も変わっていないんですよ。これまで乗せていただいた方々や、騎乗してきた馬たちにいろいろなことを勉強させてもらって、それがうまく形になってきたのだと思います。79勝できたことにも、周りの方々に本当に感謝しています。

▲「周りの方々に本当に感謝しています」(C)netkeiba.com
──GIを制して自分の中で変わったことはありますか?
横山 特には…。
──そうですよね、騎乗されたGIの週が終わっても、すぐに翌週のレースと次々レースがやって来ますしね?
横山 そうなんですよ。僕としてはまず今週。そしてそれが終わったら今週よりもさらに来週…というイメージなんですよね。ただ天皇賞を勝ったという1つの結果を残せたのは、すごく良かったと思っています。
ライラックの印象「女の子特有の気難しさ」
──そして今度のオークスではライラックに騎乗されますね。ライラックが勝利した新馬戦に別の馬で騎乗されていましたが、その時のライラックの印象は何かありますか?
横山 自分が乗っていた馬が難しい面があったということもあって、ライラックに関してその時にどういう印象だったかというのはなかったですね。
──今回が初コンビとなりますが、どんな馬だと感じていますか?
横山 先週の金曜日に初めてコンタクトを取らせてもらったのですけど、オルフェーヴル産駒でしたね。僕が小倉などで乗っていたオルフェーヴル産駒の馬たちと似通った点を感じるところもありました。華奢なのですけど、トビが大きいので雄大な格好良い走り方をすると感じました。

▲フェアリーSを出遅れながらも勝利したライラック(撮影:下野雄規)
──その時は追い切りではなかったですよね?
横山 普通キャンターでコンタクトを取って、ゲートで難しさを見せるということだったので、先生とも話をしてゲート練習にも行きました。ゲートでは練習とわかっているので、何もしないんですよね。
──これまでも出遅れたレースがあるように、本番で難しさを見せる可能性があるということですか?
横山 そうですね。環境が変わったりテンションが上がって、初めてそういう面が強く出てくるのだろうなというのはありますね。
──オルフェーヴル産駒というのはやはり難しいですか?
横山 それは馬それぞれなので何とも言えないですが、ライラックに関しては女の子特有の気難しさというのも感じますね。
──そのあたりが東京の2400mをうまく導いていくポイントに?
横山 はい、そこが本当に要になってくると思っています。
──最後に今後の意気込みをお聞かせください。
横山 目の前の1頭、1頭について、僕が感じ取れることをうまくしっかり感じ取ってあげて、それをレースで形にしていければいいなと常々考えています。
(文中敬称略)