いつもと違う空気が漂う今年のダービー。上位人気にディープインパクト産駒がいないというのも、その理由のひとつでしょう。上位人気はキタサンブラック、ハーツクライ、ドレフォンの産駒。これは新たな時代の幕開けなのでしょうか? イクイノックス、ジオグリフを送り出す木村哲也厩舎の妙味度解説を交えながら、軸に相応しい馬を紹介していきます。
(取材・文・構成=オーパーツ・パブリッシング 編集K3)
皐月賞ワンツーの木村厩舎は、ダービーでも狙えるのか?
編集K3(以下、K3) さぁ、いよいよダービーです。
卍 上位4頭の人気が割れていて面白そうですね。
K3 しかも、今年の平地GIはここまで1番人気が勝っていません。どの馬が1番人気になるかも興味深いです。
卍 昨年のホープフルSから数えると、1番人気は10連敗中ですね。でも、2007年には12連敗があったようですよ。平均3回に1回勝つ1番人気でも、こういうことが起こりえるのが競馬です。
K3 逆に、2020年は勝率66.7%、複勝率87.5%でしたしね。このくらいのバラつきは出るわけですね。
卍 はい。なので「今回も負けるだろう」とか「そろそろ来るだろう」と考えるのは違いますよね。同じように「過去10年の傾向からこのレースは1番人気が強い」というのもアテにはしないほうがいいです。
K3 わかりました。このコーナーのルール通り、妙味度の高い上位人気馬から買いたいと思います。
卍 ブレずに頑張りましょう。
K3 さて、予想に入る前に恒例の妙味度解説をお願いしたいんですが、今回はイクイノックスとジオグリフを管理する木村哲也厩舎でどうでしょう?
卍 わかりました。電子書籍『中央競馬 妙味度名鑑 2022』の木村厩舎のページはこのようになっています。
K3 「全体」の妙味度は100を超えているんですね。
卍 木村厩舎はリーディング上位のなかでもかなり好走率が高い厩舎で、今年も複勝率が45%以上あって、今のところ全厩舎で1位です。普通はそれくらい複勝率が高くなると、中内田厩舎のように常に人気になって妙味度が下がるんですけど、木村厩舎はいまのところそうなっていません。
K3 じゃあ、バレる前に買っておいたほうがいいですね。
卍 そうですね。でも、バレて全体的な妙味度が下がったとしても、妙味度の高いところをうまく狙っていけばいいと思いますよ。
K3 どういう条件で狙えばいいですか?
卍 木村厩舎の特徴をまとめるとこのようになります。
・やや過小評価傾向
・新潟、東京、中山の妙味度が高い
・新馬、未勝利、2〜3歳戦に注目
・休み明け初戦が狙い目
K3 使いながら仕上げる厩舎じゃないので、新馬や休み明けでいきなり狙えるんですね。ここはノーザンファーム天栄との連携も大いに関係ありそうです。
卍 来週から始まる2歳戦でも注目ですね。
K3 来週デビュー予定の馬もいるみたいですしね。
卍 コースに関しては、東京芝の成績が非常に安定しています。
K3 ただ、「重賞」の妙味度が低いのが気になりますね。
卍 木村厩舎の活躍馬は凡走が少ない馬が多いので、人気になりやすいんでしょうね。
K3 今回このマイナスを他の項目でカバーできるかどうかで、イクイノックスとジオグリフの取捨が決まりますね。
卍 では、予想1〜5番人気の総合妙味度を見てみましょう。