競馬は分からないものだと、松田博調教師は、皐月賞の直後語っていました。3頭出しの中で一番人気のなかったドリームパスポートが2着と健闘し、1番人気アドマイヤムーンに先着したのですから、この言葉には実感がこもってました。しかも、デムーロ騎手の騎乗停止で手綱がめぐってきた障害の高田騎手での好走。ダービーもこのコンビでと願っています。元々がドリームパスポートの調教パートナーであり、仕上げの名手として厩舎を支えてきたのですから、大舞台の日の目を見てもいいのではないでしょうか。
縁の下の力持ちと言えば、皐月賞馬メイショウサムソンの石橋騎手には、心からの拍手を送りたいですね。ジョッキー生活22年目で、クラシック25戦目の初制覇。しかもデビューからずっと乗り続けて10戦目で念願のクラシック馬に導き、地味ながら堅実さが光る存在です。これだけ走ってきて5勝2着3回で連対率8割、4着が1回あるだけであとは3着が1回のみ。混戦クラシックにふさわしい馬が勝ったと思いました。
そして、松田博厩舎に続き、ダービーに向けて瀬戸口厩舎の存在が話題を集めることになりました。メイショウサムソンに加え、早くから評判になっていたマルカシェンクがカムバック、ダービー戦線に加わります。松田博、瀬戸口両調教師ともベテラン、ずっと辛抱強く馬づくりを積み重ねてこられたこの道ひとすじの光が見えています。
このままダービー戦線も、地道路線を行くことになりそうです。果たして、武豊、岩田康誠、安藤勝己、はたまた大井の内田博幸の各騎手たちがどの馬をパートナーに出場してくるか、そして巻き返しがあるかという注目点とともに、春の競馬も第2ラウンドに入りました。桜花賞も皐月賞も6番人気馬が1着でした。この結果が今年のクラシック戦線を物語っています。もしかしたら、がらり一変も考えておいた方がいいのでしょうか。