秘める資質はGI馬にも引けを取らない
4歳ジャスティンカフェは、まだ9戦【4-3-1-1】のキャリア。まして今回は格上がり。今年のメンバーは例年より強力ではないが、いきなり通用するだろうか。
前回の3勝クラス湘南S1600mの勝ち時計は、同日のNHKマイルC(GI)と同タイムだが、GIとはいえ3歳限定戦であり、古馬とは全体レベルが異なる。
ただし、翌週のヴィクトリアマイルは「58秒0-上がり34秒2」=1分32秒2。あまり速くない流れで、湘南Sと同一にも近いペースの結果、好位抜け出しで2馬身差圧勝のソダシは上がり「33秒4-(最終1F推定)11秒6」。
湘南Sも酷似したペースで「58秒0-上がり34秒3」=1分32秒3だった。追い込んだジャスティンカフェの上がりは「32秒9-(最終1F推定)11秒3」であり、それで馬なりにも近い3馬身差の楽勝である。
AとBコースの違い、全体のレベル差もあるが、同一にも近い流れで記録された数字だった。GI完勝のソダシと少なくとも互角の中身ではないかと思える。まだ若いレース運びで未完成だが、秘める資質は高い。
ここまで強敵との対戦がないのがジャスティンカフェ(父エピファネイア)の死角だが、サンデーサイレンスの「4×3」は、同じ父を持つエフフォーリア、デアリングタクトなどと同型の現代の黄金配合。経験不足を補う勝負強さがある。
ここまでの全4勝は1600mだが、ファミリーの距離適性の幅は広い。1800mに延長は問題ない。祖母の全兄ペインテドブラックはステイヤーズSの勝ち馬であり、4代母シャダイアイバーは1982年のオークスを当時の史上最少キャリア4戦(オークスが春になった1953年以降)で快勝している。
東京の1800mベストの牝馬シャドウディーヴァ。2走前の左回り中京で57.5キロを克服しているザダルが相手本線。逃げ宣言のトーラスジェミニ(昨年のこの時期の安田記念0秒4差5着)も少し押さえたい。
「函館スプリントS」は、今年も快時計の決着必至。人気でも50キロの負担重量の3歳牝馬ナムラクレアは有利だ。55キロで小差3着の桜花賞より5キロも軽い。芝1200mは2戦2勝。小倉2歳Sの1分07秒9はレースレコードタイだった。