▲6月19日の東京9RでJRA通算100勝を達成したD.レーン騎手(撮影:下野雄規)
先週、JRA通算100勝を達成したD.レーン騎手。2年ぶりの来日となった今回の短期免許も残すはあと1週となりました。そんな最後を締めくくるグランプリ、宝塚記念ではヒシイグアスと約2年ぶりにコンビを組むことが決まっています。
以前ヒシイグアスとコンビを組んだのは2020年4月の条件戦。その時に感じたポテンシャルの高さはよく覚えており、その後のヒシイグアスのレースを観ると「十分にGIレベルに達している」と感じるそう。そんなヒシイグアスと約2年ぶりにコンタクトをとった際の様子や状態面を伺い、さらに宝塚記念は2019年にリスグラシューで制した舞台、一度勝利した経験から宝塚記念というレースの特徴も語っていただきました。
(取材・構成=松山崇)
いつかはGIを勝つ馬、できればすぐに勝てるといいですね(笑)
──宝塚記念で騎乗予定のヒシイグアスには、2年前の条件戦(2020年4月26日 石和特別)で騎乗し、勝利されています。当時のことは覚えていらっしゃいますか?
レーン もちろん覚えています。1回しか乗っていませんが、いいフィーリングで、実際にいい勝ち方をしてくれましたね。ただ、ポテンシャルは間違いなく高いと感じましたが、その段階でGIを戦えるかと問われるとYESとは言い切れませんでした。私は、日本にいない時でも日本のレースを観るようにしているので、その後のヒシイグアスが、順調にステップアップを果たしていくのも知っていましたよ。跨った時に感じたポテンシャルを、少しずつ発揮できるようになってきたのだと思いながら観ていました。
──宝塚記念に向けて調教にも乗られていますが、当時と比べて変化は感じましたか?
レーン アスリートの体になってきたように思います。メンタルも成長していますね。3週続けて調教に乗っていますが、状態面についても、1週ごとに良くなっています。とにかく順調なので、今から宝塚記念が楽しみです。
──ヒシイグアスは昨秋からGI戦線に名乗りをあげましたが、天皇賞・秋、香港カップ、大阪杯をご覧になった印象を教えてください。
レーン 先ほども申し上げましたが、日本にいない時も、できる範囲で日本の競馬は観るようにしていて、その3戦もオンタイムでチェックしています。香港カップでは、勝ち負けは運の差でしかないほどの素晴らしい脚を使っていましたね。この3戦の内容から、今のヒシイグアスは、十分にGIレベルに達しているといえます。いつかはGIを勝つ馬だと思いますが、できればすぐに勝てるといいですね(笑)。
──今週末に、ということですね(笑)。さて、年明け緒戦の大阪杯は勝ち馬から0.3秒差の4着。このレースを振り返っていただけますか?
レーン 強い相手に差のない競馬でしたね。休み明けだったことを考えれば非常に中身の濃い競馬だったと思いますし、高い潜在能力を改めて感じました。そこから少しの上積みがあれば、GIに手が届くでしょう。
──1800mと2000mしか距離経験のないヒシイグアスにとって、今回の2200mは初距離となります。
レーン この馬にとって2200m必要かと問われれば