▲この春互いにGIを制した吉田豊(右)・隼人(左)兄弟の対談が実現!
兄・豊騎手がパンサラッサでドバイターフを勝ち、弟・隼人騎手はポタジェで大阪杯を制覇するなど、勢いのある吉田兄弟。1990年代にはメジロドーベルとのコンビで活躍した豊騎手は落馬による大怪我に見舞われながらも円熟味を増し、隼人騎手は栗東に拠点を移したことでさらなる飛躍を遂げています。
キャリアを重ね、変化を遂げるお互いのジョッキーとしての姿を吉田兄弟はどう見ているのでしょうか。それぞれにGI馬で臨む宝塚記念を前に、貴重な兄弟対談が実現!
お互いに尊重し合いながらも、対談実現の裏で「ここだけは似ていない」という性格が露わになったとか!? 宝塚記念に向けて前編・後編に分けてお届けします。
(取材・構成=大恵陽子)
隼人騎手が感じる、職場に兄がいてくれることの心強さ
──今日はお忙しい中、お時間を作っていただきありがとうございます。お二人ともジョッキーとして活躍されていますが、兄弟が同じ世界にいるという心強さは感じますか?
豊 これまでは家族と競馬の話をしていても分かってくれる人はいなかったけど、隼人がいれば「あぁ、分かる」と答えてくれることはありますね。でも、仕事をする上で「隼人がいるから」っていうのはそんなにないかな。
隼人 僕の場合は、自分のやりたい職業になかなか就けない世の中で運よくジョッキーになれて、職場に兄貴がいてくれてつらい時に支えになってくれました。質問をして答えが返ってくることは特にないんですけど、弱音や愚痴を聞いてもらえる、近くにいてくれるだけで助けてもらったなと思います。
──お二人は年の差8歳ですが、子供の頃に一緒に遊んだ記憶はありますか?
豊 小さい頃、面倒を見た記憶はありますけど、8歳も離れていたので、一緒にどこかに遊びに行ったとかはあんまりないですね。
隼人 小学校に入ってから、家に帰って遊んでほしい時に兄貴が競馬学校に入っちゃったので、周りの子を見て「兄弟で楽しそうだな」と思っていました。僕はひとりっ子みたいな感じで育てられました。
豊 中学校を卒業して競馬学校に入るから、そうだよね。
隼人 兄貴から「隼人の方が体が柔らかいし、体も小さいからジョッキーに向いているんじゃないの」って勧めてもらって、僕もジョッキーを目指して体づくりとかはしていました。
豊 うちの家系はみんな小さいもんね。
隼人 中学2年生の時に東京競馬場に行って、兄貴がメジロドーベルでオークスを勝つのを見たんですけど、実の兄が大勢の人の前で勝ってスターになっていて、衝撃的でした