再び始まるディープインパクト伝説、こう呼ぶには春の天皇賞を勝つことが絶対条件です。阪神大賞典でほっとさせられ、3200mの信頼を増したのは確か。あとは、目の前で文句ない姿を見せるだけでしょう。
以前無敗の三冠達成を前に、岡部幸雄さんが語っていたことを思い出します。
ディープインパクトはシンボリルドルフとタイプが全く違う馬。レースが上手で何でも出来たルドルフと異なり、ディープはまだパーフェクトな競馬をしていない。底知れない能力を秘めているが、どう勝つか常識では計れないところがあり、武君だから勝っているんだ。完成したらどれ程の馬になるか楽しみ、海外に行って、日本にもこんな凄い馬がいるんだぞって、見せびらかしたいと。
名手が名手に送ったエールとして、是非とも伝説の中に加えておきたいと思っています。阪神大賞典で見せたディープインパクトの戦い方は、長距離戦を走るパーフェクトな姿に映りました。もう1度、あの走り方で勝ったら、岡部さんの思い描く完成した名馬ということになります。この先は、どれ程の馬になっていくか、正に伝説の世界に入っていくことになるでしょう。
そして、待っているのが海外での戦い。是非とも納得のいく状況で、それが現実になるのがみんなの夢です。
有馬記念でハーツクライに敗れたからと言って、それがどうしたという思いです。大きく晴らして、無敵ぶりを見せつければいいのです。久しぶりに大きな志を抱く競馬が楽しめるのは嬉しいことです。
ドバイシーマクラシックを奇策の逃げ切りで優勝したハーツクライが、Kジョージ&・QエリザベスダイヤモンドSへ参戦することになっています。昨秋からの充実ぶりは著しく、特に2400mはベストの馬。ディープインパクトが、どこで有馬記念の雪辱を果たすか、これも物語のテーマのひとつです。