レースではあり余るスピードから、時に暴走気味に見えてしまうメイケイエール。一生懸命すぎる彼女ですが、ひとたびレースから離れると、お人形さんのような可愛い姿になることを短期連載「メイケイエールの夏休み」でご紹介しました。
その中で武英智調教師と、同馬をサポートするノーザンファームしがらき松本康宏場長は対談で「1200mでどうやって負けるのかな、と感じるくらい秋が楽しみ」と話すほど、心身のバランスが整った状態だと話していました。
そこでnetkeibaでは「メイケイエールの夏休み・続編」を掲載。NFしがらきからトレセンに戻ってきて見せるツンデレっぷりやこれまでには見られなかった落ち着き、そして秋初戦のセントウルSへ向けたいまの状態について武英智調教師に伺いました。
もしかしたらこの秋、ひと味違った姿が見られるかも!?
(取材・構成:大恵陽子)
※次回は9月25日(日)更新予定です。
たてがみの付け根を触ると、「もっとやってー」
──メイケイエールが8月10日、栗東トレセンに帰厩しました。
武英調教師 いつも牧場から帰ってくると、最初の週に10kgくらいガンッと体重が落ちてしまって見た目にも体が寂しく見えるので、そこから少し頑張って食べたりして、脂肪が筋肉に変わってパンプアップされていく、というのが今までのあの子の調整方法だったんですけど、今回はずっと体重が減らなくて、増減が±2kgで収まっています。「馬もいよいよ理解してきて、精神面でも成長しているんだな」と感じています。
──これまでのように体重が大きく減ることを想定して、秋初戦のセントウルSの約1カ月前に帰厩させたんですか?
武英調教師 そうなんです。うちの厩舎は馬がフレッシュな間に競馬に向かうスタイルで、帰厩して2週間でレースに出走することが多いんですけど、エールはひと月か5週間前くらいにいつも帰厩させています。
──ところが、今回はその心配は無用だったんですね。7月に夏休み中のメイケイエールを見に行った時、「トレセンではツンデレ」とおっしゃっていましたが、それは変わらずですか?
武英調教師 いまさっきもツンツンしていました(苦笑)。今朝、追い切りをして、池添謙一騎手とかと馬房で写真を撮っていたら、ご飯中でめっちゃ怒っていました。
※取材日:9月7日
▲やはりトレセンではツンツンしているメイケイエール(提供:武英智調教師)
──NFしがらきでは武英智調教師が馬房に入ってもされるがまま、という感じでしたが、全然違いますね。
武英調教師 NFしがらきでは近寄っても怒らないですけど、今はもう「入ってくるな」という感じです。目つきも競走馬っぽくなってきていて