期待どおりの勝利、ディープインパクトの夢が私共の物でもあることを確認した春の天皇賞でした。ディープの競馬シーンは、ずっとそうあり続けることでしょう。
古くはシンザン、そしてシンボリルドルフがそうでした。どう勝つかだけに注目した名馬、そんなにはいません。巡り会えた幸運はそれこそ競馬ファンにとっての財産、それらと時代を共にすることがどれだけ貴重か、気づいている筈です。
そして、名馬のレースに感動する心を失わずにいるかどうか、無邪気になれるのが競馬のいいところですから、改めて自分を見直すときでもあります。
ディープインパクトの勝利、そこには他馬にとり、全く為すすべがなかったという事実がありました。物足りなさを感じたほど、ディープの異次元の強さが光っていたと解釈すべきなのでしょう。
人知を超えた強さとは、シンボリルドルフを野平祐二さんが表現した言葉です。あまりにも有名ですが、人知を超えたところにディープもいるのかもしれません。何故、どうしてという人間の疑問の及ばないところにある存在、それがルドルフでありディープなのでしょう。
こういう名馬を前にして述べる言葉、それは賛辞しかありません。ただひたすら驚嘆するのみです。滅多にお目にかかれることではないのですから、言葉を尽してほめるのですね。ほめることで、熱いものがこみあげてきます。そして、より一層、そのシーンが感動的なものとして記憶されていくことになります。素直にディープインパクトを称えて、その強さをしっかりと脳裏にやきつけ、上等なものに触れたありがたさを全身で受け止めていきましょう。
この先にある夢、それをこちらから勝手に共有させていただき、ちょっといい気分になっていようではありませんか。