完成度がかなり高いナムラクレア(c)netkeiba.com
今週はスプリンターズSが行われます。前哨戦のセントウルSを圧勝したメイケイエール、昨年のNHKマイルCの覇者でスプリントに矛先を向けてきたシュネルマイスター、函館スプリントSを圧勝した3歳牝馬ナムラクレアなど好メンバーが揃いそうです。今回はこのレースに出走を予定している馬で中間の写真が見られる馬について、仕上げや馬場適性を中心に解説していきたいと思います。
ウインマーベル アイルハヴアナザー産駒ですが、斜尻気味なのと極端な曲飛が特徴。トモのボリュームは写真よりも動かすと大きく見えます。キーンランドC2着以来のレースとなりますが、仕上げには少し余裕があるものの馬体の張りなどは前走時と変わらない印象です。軽い走りをする馬ですが、パワーも兼ね揃えていて、中山コースも合いそう。ただ、追い出されると左にもたれるところがあるので、その点で内が伸びる今の中山は微妙かも知れません。当日もう少し絞れていれば大崩れはなさそうですが。
ヴェントヴォーチェ トモの筋肉が元々発達していた馬ですが、ここにきて凄い張りになってきました。仕上げとしては多少余裕があるかもしれませんが、スプリント戦ならこれくらいでも問題ないでしょう。前走で重賞を勝って勢いがありますし、ここも上位争いに持ち込めそうです。
シュネルマイスター 安田記念時と比べると腹回りが締まって筋肉の締まりも良いように見えます。スピードがあるタイプで、パーツもそれぞれそれほど長くないのでスプリント適性はありそうです。安田記念時は緩く見えましたがそれでも2着。能力が高く、ここでもチャンスは十分です。
テイエムスパーダ 前走時はトモのボリュームが増して非常に良くなっていましたが、逃げ馬にきつい馬場で7着に敗れました。馬体はどっしりして良い感じになっていますし、トモのボリュームも維持。ここはどうしても行きたい馬もいないので、内伸び馬場で一気の逃げ切りも十分あるでしょう。
ナムラクレア 牝馬とは思えないトモのボリュームで、完成度はかなり高いと思います。四肢に柔らかさがあり、能力はここに入ってもトップクラス。斤量差もあるので、まず勝ち負けに持ち込めるでしょう。
ナランフレグ もう少し絞れそうですし、筋肉の張りも本来のものに比べれば一息。調教に出やすいタイプなので、その辺りに注目したいところです。
ファストフォース 前走時にビッシリ調教したことで大分体付きが戻ってきました。無駄な肉が取れ、トモのボリューム感など良いころに戻ってきています。ここに入ってもチャンスはありそうです。
メイケイエール前走時はまだ緩いところがありましたが、今回は無駄肉が取れ素軽さが違ってきています。筋肉の張りも非常に良く、持ち味の切れを存分に発揮できる造りです。操縦面がクリアできている今ならまず勝ち負けでしょう。
【総括】
馬場は内有利。メイケイエールは余程外枠を引かない限りは大丈夫そうです。相手も現状ではナムラクレア、ウインマーベル、ヴェントヴォーチェが中心、穴でテイエムスパーダとファストフォースの先行馬を挙げておきます。結論は調教や馬場などを加味してウマい馬券で提供しますので、そちらもご注目下さい。
■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。