鞍上とも“手が合う” 自己ベスト更新で流れに乗る一頭
今朝19日の栗東は調教開始時刻の気温が9℃。厚手のジャンバーがないと、調教を観ていて凍えてしまうくらい(笑)。そうかと思えば、調教時間の後半は日差しが強くて、ジャンバーを脱がないと暑くなってきて。きっと、放射冷却で冷え込みが厳しくなったのかなと思いますが、こんな気温だからこそ、馬はみんな元気いっぱい。
菊花賞の最終追い切りについては、下記や重賞捜査網を参考にしてもらうとして、今朝は天皇賞秋の1週前追い切りも行われていました。シャフリヤールとジャックドールに関しては、トレセンニュースに速報として書かせていただいたので、そちらをご覧ください。パンサラッサもニュースで取り上げてもいいんじゃないかと思うくらい、素晴らしい動き。今から来週が楽しみですね。
【富士S/ダノンスコーピオン】
NHKマイルCでGIを制して、今回が初めての古馬対決。共同通信杯こそ、調子が悪くて7着でしたが、当時はCWでの併せ馬で遅れる姿が目についていました。当時よりもレース間隔があいた今回ですが、1週前追い切りの坂路での併せ馬では2歳相手だったとはいえ、追走してきっちり先着。4F52.2秒と自己ベストに0.2秒差迫る時計を出していて、実質的な強い負荷はここでかけたということになります。
最終追い切りは坂路で4F53.8秒。この時計に「輸送もありますし、秋の大目標はマイルCS」と時計が少し遅めだった理由についてフォローする安田隆行調教師。ですが、そもそもこの中間の追い切り量は豊富ですし、休み明けとしては文句なしの調教内容といってよいと思います。
休み明けとしては文句なしの調教内容のダノンスコーピオン(10月18日撮影)
【富士S/セリフォス】
NHKマイルC4着からの安田記念4着。どちらも馬券に絡むことはできませんでしたが、どちらも惜しい、と思えるようなレースでもあったと思います。3歳という年齢を考えれば、これがGIでの限界とも思えませんし、今秋はあらためてGIへトライしてどうなる、という立場だと思います。
力試しには絶好の舞台とメンバー。中間の調教量も休み明けとしては十分ですし、1週前追い切りのCWでの動きは文句なし。最終追い切りが坂路というのは、新馬勝ちした時以来になりますが、結果を出したことがあるわけですし、2歳時に重賞を勝った時の最終追いCWからパターンを変えてどうなるか、という部分はここで確認してみたいところです。
最終追い切りは坂路にパターンを変えたセリフォス(10月18日撮影)
【菊花賞/ガイアフォース】
netkeiba.comの予想オッズは19日の13時前の段階で2.9倍の1番人気。アスクビクターモアと肩を並べています。いくらアスクに勝った前走があるとはいえ、2走前に1勝クラスを勝ったばかり。しかも相手は春のクラシックで掲示板に載る実績があるわけです。そういった意味では、やっぱり連勝中って大きな人気要因になるんだなあとも思います。
ただ、前走から今回にかけて、調教内容が順調なのは確か。最終追い切りは前走が中山競馬場への輸送があって、4F56.8秒と遅かったのに対して、今回は4F54.1秒。1勝クラスを勝った時の最終追いとほぼ同じ時計ですから、最終追いの時計に関しては十分評価できます。1点指摘するなら、1週前追い切り。坂路で併せ馬に遅れていますが、これは1勝クラス、セントライト記念の時の1週前併せ先着とは違います。ここは決して忘れてはいけないでしょう。
連勝中で人気を集めるガイアフォース(10月18日撮影)
【菊花賞/ジャスティンパレス】
神戸新聞杯は見事な勝利。当時の1週前追い切りのCWでの3頭併せは本当に素晴らしい動きだったと、今でも印象に残っています。今回は中3週ということもあって、1週前は坂路での追い切り。これがどうなんだろうなというグレーな印象を持ちながら、最終追い切りがどんな動きをするのか注目していました。
CWでの3頭併せでしたが、相手は2歳2頭。追走する内容で、最後の直線も一番外。前走時の1週前追い切りに近い内容でしたが、ゴール前では一杯に追われて完全に遅れてしまいます。正直、前走時の1週前とは全然違う動き。ただ、時計はほぼ同じなんですよね。相手が動いただけなのか、それとも。もう一度、映像で動きを再確認して、重賞捜査網でもしっかり評価したいと思います。
前走時の1週前とは全然違う動きを見せたジャスティンパレス(10月18日撮影)
【菊花賞/ヴェローナシチー】
前走神戸新聞杯は5着に終わったので、初めて馬券圏外となりました。それだけに今回は人気が落ちると思いましたが。やはり、川田将雅騎手が騎乗するという点も大きな意味を持つのでしょう、netkeiba.comの予想オッズはかなり上位になっています。
川田騎手への期待が、CWでの1週前追い切りの動きを見たら大きくなる。これは自然の流れかなと思います。先行していたとはいえ、同じく菊花賞に登録しているインプレスに並ばせることなく先着。いわゆる手が合うという印象を受けましたし、これが最終追い切りの坂路4F51.6秒、自己ベスト更新の流れをつくっている気もします。ということで、たとえ人気になっても楽しみな状態であることは間違いありません。
自己ベスト更新の流れをつくっているヴェローナシチー(10月13日撮影)
◆次走要注意
・10/16 西宮S【ピンハイ】(1人/1着)
オークス以来ということもあってか、前半はついていくことができないような流れでしたが、直線半ばで前を捕まえることができました。まさにクラスの違う脚だったと思いますし、これから先の動向も要注目です。
[メモ登録用コメント] [芝中距離]1週前追い切りも最終追い切りもCWで併せ馬を追走していれば勝ち負け
◆開催おすすめの調教適性
<東京芝1600m>
◎最終追い切りが南Wでラスト1F最速ラップ
○最終追い切りが坂路で4F目最速ラップ
10月9日の3歳上1勝クラスは1着、2着が◎でしたが、4番人気と10番人気で馬連398.0倍。ただ、栗東所属の最終追い切り坂路が出走したら、それが好走するという傾向もあるだけに、富士Sではこちらを重視した方がよいかも知れません。