今年の天皇賞秋のメンバーは、GI馬5頭と一見豪華に聞こえますが、なんだかいつもと様子が違います。なぜなら、GI馬を差し置いて、GI未勝利のイクイノックス、ジャックドールが人気を集めているからです。この2頭をどう評価すべきか? 馬券裁判男こと卍氏が開発した評価指標「妙味度」を使って占っていきます。
(取材・文・構成=オーパーツ・パブリッシング編集K3)
2004年のゼンノロブロイ以来、勝っていないパターン
編集K3(以下、K3) 先週の菊花賞は「儲かる軸馬」のジャスティンパレスが来たんですけど(4番人気3着)、またヒモが抜けました……。
卍 軸馬は走っているのに、なかなか噛み合いませんね。
K3 2022年の「儲かる軸馬」の成績は、複勝率46.3%、単勝回収率102%、複勝回収率86%です。
卍 軸として最低限の役割は果たしているんですけどね。年内のコラムは今週を含めてあと9回ありますけど、それまでになんとかなるといいですね。
K3 さて、今週は天皇賞秋ですが、良いメンバーがそろいました。
卍 豪華なメンバーではあるんですが、予想1〜3番人気のうちイクイノックス、ジャックドールはGI未勝利なんですよね。予想4番人気のダノンベルーガもそうですし。
K3 確かに、この状況は珍しいかもしれませんね。昨年なんてコントレイル、グランアレグリア、エフフォーリアの三強でしたし。
卍 GI未勝利(海外含む)で1〜3番人気になった馬はどれくらいいるのかなと思って、過去10年の結果を見たんですけど、30頭中6頭いました。
K3 卍さんが「過去10年データ」を見るのは珍しいですね(笑)。
卍 珍しいなと思って、参考までに見ただけですけどね。当然、サンプル10個で今回もそうなるとは思いません。
2020年 ダノンキングリー(3番人気12着)
2016年 ルージュバック(3番人気7着)
2015年 エイシンヒカリ(2番人気9着)
2015年 ディサイファ(3番人気8着)
2013年 トウケイヘイロー(2番人気10着)
2012年 フェノーメノ(1番人気2着)
K3 馬券に絡んだのはフェノーメノだけなんですね。
卍 はい。しかも、GI未勝利のまま1〜3番人気に推されて勝った馬は、2004年のゼンノロブロイまで遡らないといませんでした。
K3 つまり、今年の天皇賞秋は、イクイノックス、ジャックドールをどう評価するかがキモになるわけですね。それを妙味度で判断しようと。
卍 そういうことです。では、予想1〜5番人気の総合妙味度を見ていきましょう。