不運の代名詞日本ダービー2着惜敗だが…
デビュー2戦目の「東スポ杯2歳S(東京1800m)」を上がり32秒9で圧勝したイクイノックス(父キタサンブラック)は、その時から衆目一致のクラシック候補だった。
だが、体質の弱さが残り、1年経ったがまだキャリア4戦だけ。休み明けで一度は直線先頭に立った皐月賞は、1馬身差の2着。日本ダービーは、直線でインから外へ進路変更のロスがあって、ドウデュースのダービーレコードと同タイムの2分21秒9。上がり最速の33秒6ながらクビ差、2着。春の2冠はともに大外18番枠だった。
結局、クラシックは未勝利のままとなるが、天皇賞(秋)に3歳馬が出走可能となった1987年以降、35年間に挑戦した3歳馬の成績は【3-5-3-25】。わずか3頭しか勝っていないが、昨年のエフフォーリアと同じように、日本ダービー2着馬が菊花賞ではなく、天皇賞(秋)に出走すると、「1995年ジェニュイン(2着)、2002年シンボリクリスエス(1着)、2012年フェノーメノ(2着)、2014年イスラボニータ(3着)、そして2021年エフフォーリア(1着)」。まだ凡走した馬はない。
対戦する4歳以上馬のレベル、自身の距離適性、体調は課題でも、今年のイクイノックスもおそらく勝ち負けに持ち込めるだろう。
日本ダービー2着惜敗は、たしかに不運の代名詞ではあるが、この35年間に9頭の菊花賞馬を送った。この間、3冠馬4頭以外、日本ダービー馬が、菊花賞を勝った例はない。また、3歳時に有馬記念を制した日本ダービー2着馬が4頭もいる。日本ダービー2着馬は決して悲運の馬ではない。やがてもっと強くなる。
父キタサンブラック(GI通算7勝)は、3歳秋から急激に強くなり初GI制覇が菊花賞だった。イクイノックスもこれから大きくパワーアップする可能性が大きい。平地GIで1番人気馬は16連敗中だが、終止符を打つのはこの馬だと期待したい。
立ち直っているシャフリヤール、まだ上昇が望めるジャックドール本線。連穴にいまは2000m向きのカラテを入れたい。