先週の血統ピックアップ
・10/30 天皇賞・秋(GI・東京・芝2000m)
中団を追走したイクイノックスが直線で大外から伸び、大逃げを打ったパンサラッサをゴール直前でとらえました。GI初制覇です。1984年にグレード制が導入され、1987年から3歳馬が出走できるようになってから、3歳馬が1番人気に推されて優勝したのは今回が初めてです。
父キタサンブラックは2017年の覇者なので親仔二代制覇となります。ヴァイスメテオール(ラジオNIKKEI賞/父キングカメハメハ)の半弟で、母シャトーブランシュはマーメイドSの勝ち馬。キタサンブラック産駒はヘイロー-サンデーサイレンスのラインをクロスさせた配合が成功していますが、本馬はヘイロー4×4。それに加え、血統構成のよく似た三種の血、「ヘイロー、ドローン、サーアイヴァー」を執拗に重ねており、文句なしの名配合といえるでしょう。
アルザオ(ブラックタイドの母の父)とダンシングブレーヴ(キングヘイローの父)は、配合構成がよく似ているのでニックスの関係にありますが、本馬はこの両血脈を抱えています。春は成長途上で弱いところがありましたが、それでも皐月賞と日本ダービーで連続2着。弱さが解消すれば父を超えてもおかしくありません。
・10/29 アルテミスS(GIII・東京・芝1600m)
出遅れて後方に控えたラヴェルが大外から差し切りました。これで新馬-重賞を連勝し、エリートコースに乗りました。チューリップ賞を勝ち、秋華賞2着、オークス3着などの成績を残したナミュールの半妹。父はハービンジャーからキタサンブラックに替わりました。キタサンブラック産駒は土日重賞連勝となります。通算では4勝目です。
母サンブルエミューズはフェアリーS3着馬で、その兄弟にはマルシュロレーヌ、バーデンヴァイラー、アヴニールマルシェなど活躍馬が並んでいます。天皇賞の項でも述べましたが、ヘイロー-サンデーサイレンスのラインをクロスさせた配合は父キタサンブラックの成功パターンで、なおかつイクイノックスと同じくアルザオとダンシングブレーヴのニックスを持ちます。前途洋々で大物感があります。
今週の血統注目馬は?
・11/6 もちの木賞(2歳1勝クラス・阪神・ダ1800m)
阪神ダ1800mと相性のいい種牡馬はドレフォン。連対率27.3%は、2012年以降、当コースで産駒が20走以上した156頭の種牡馬のなかで第8位。当レースに産駒が登録している種牡馬のなかではナンバーワン。
当レースにはコンティノアールが登録しています。ドレフォン産駒の阪神ダ1800mは、2歳戦に限ると20戦10連対(連対率50%)と圧倒的。ここは連勝のチャンスでしょう。
今週の血統Tips
2022年の競馬は残すところあとふた月となりました。JRAの2歳種牡馬ランキングを見るとエピファネイアが独走状態となっています。先週終了時点の26勝は、2位ハーツクライが15勝ですから断然トップです。
新種牡馬はマインドユアビスケッツの13勝がトップで、内訳は芝5勝、ダート8勝。芝でもダートでもそれなりにやれているところが強みです。とはいえ、まだ2勝馬はいません。
現2歳は実質的にディープインパクト産駒がいなくなった世代なので、群雄割拠が予想されていました。意外なほどエピファネイア産駒が勝ち星を伸ばしており、これが来年のクラシックシーズンまで勢いを保てるか注目です。