▲10月22日に障害OPを勝利したバイオレントブローと加矢太騎手(ユーザー提供:ユーベルさん)
先週はお休みになってしまった小牧騎手ですが、お父さんのぶんまで息子の加矢太騎手が奮起。日曜日の新潟で8勝目をマークしました。先々週も勝ち星を挙げており、この『太論』にも加矢太騎手にまつわる質問が続々届いています。今回は、そんな加矢太騎手絡みの質問をまとめてピックアップ。父としての期待と本音を明かしてくれました。
(取材・文:不破由妃子)
一年目であれだけ乗れれば上等! 来年はリーディングも⁉
──先週は、日曜日の新潟4Rで加矢太さんが8勝目をマーク。2週連続の勝利とあって、加矢太さん絡みの質問がいくつか届いています。まずは、「加矢太騎手、7勝目(10月22日)おめでとうございます! 1年目からすごいなぁと思っているのですが、父として、先輩ジョッキーとしての率直な評価が知りたいです!」。
小牧 すごいと思うよ。10勝くらいしたら、新人賞もらえるんちゃう?
──障害部門の新人賞もあるんですか?
小牧 知らんねん(笑)。新人賞、ないんかなぁ。まぁこれまで新人が障害専門で乗ることってなかったからね。新人賞…ないか(苦笑)。ここまできたら、今年は10勝を目標に頑張ってほしいね。
──先週が終わった時点で、障害リーディングで4位。本当にすごいです。
小牧 トップは何勝しているの?
──13勝で石神さんです。「加矢太騎手を応援しています! 小牧騎手は、近い将来、加矢太騎手が障害のリーディングを獲ると思いますか?」という質問もきています。
小牧 来年は可能性があるんじゃない? 今年は3月スタートやったけど、来年からは普通に最初から乗れるからね。だいぶ慣れてきているし。
──正直なところ、初年度からこんなに活躍できると思っていましたか?
小牧 思ってたよ。予想通りや。だって、最初から障害専門のジョッキーはいないでしょ? だから「ジョッキーになれ」って言ったんや。飛ぶのが上手なのはわかっていたからね。競馬のスピードにさえ慣れればと思ってた。
──あとは、レース中の駆け引きや、レースの組み立てなどですよね。
小牧 そうやね。レースの組み立ては、だいぶよくなってきたと思う。なんせ力のある馬に乗せてもらっているしね。
──それこそが周囲の評価の表れで。いくら障害馬術の日本チャンピオンとはいえ、その肩書だけでいい馬が集まるほど甘くはないですから。
小牧 その通り。結果を出しているからこそやと思う。
──ほかにも「加矢太騎手、初年度から大活躍ですね。先輩ジョッキーとして、やはり細かいアドバイスなどしているのでしょうか?」という質問もきています。
小牧 気になったときは言っていたけど、それも最初だけやね。普段、競馬の話をあんまりしないこともあって、今はほとんど何も言ってないよ。だって、1年目であれだけ乗れたら上等でしょ? 直線の追い方とかはね、最初のうちはもうひとつやったけど、それも段々良くなってきているし。考えてみれば、初めて競馬に乗ってからまだ7カ月くらいやからね。
──そろそろ親子対談をやりますかね。
小牧 いいね。僕が現役のうちにやろうや。
──またそんなこと言って。目標の60歳まで、まだ5年もありますよ。
小牧 まぁそうやけど(笑)。なんせ、最近は障害レースがおもしろいわ。日曜日も、加矢太が勝ったレースを夢中になって見てました。ただね、そもそも馬番を間違えて覚えていて、ずっと4番の馬(2着ブルメンダール)を目で追ってた(苦笑)。
──あり得ないんですけど(苦笑)。
小牧 乗り方が違うなぁとは思ってたんやけど、直線は「行け行けー!」とか言って4番の馬を一生懸命に応援しとったわ。思い込みって怖いね(笑)。で、「なんや、勝ってるやん!」となって、最初からもう一度レースを見直したよ。
──お父さん、しっかりしてくださいね(笑)。さて、2歳馬の調教は順調に進んでいますか?
小牧 日曜日に、キャロリンも速いところを乗りました。かなり仕上がりが早いタイプやけど、ちょっと神経質なところがあるみたいやね。それがレースに行ってどう出るか。ご飯もあんまり食べへんねん。
──小さい馬なんですよね。
小牧 うん、400キロちょっと。走ってきそうな馬やから、今はとにかくご飯をちゃんと食べてほしいね。一応、11月19日の阪神芝1200mでデビュー予定やけど、最終的には追い切ってみてから決めます。あと、先週の27日にハワイアンパレスにも乗りました。(終い)13秒を切ってきたね。まだ終いだけしか行ってないんやけど、思ったよりいい感じやった。2歳馬は今の僕にとって希望やから。なんとか走ってほしいね。
(文中敬称略)