▲(撮影:大恵陽子)
香港カップでジャックドールに騎乗する武豊騎手。名手の手綱さばきが注目されますが、関係者内でも非常に評判が高いのが、武豊騎手の“逃げ”です。
遡れば、名馬サイレンスズカでの鮮やかな逃げ切り勝ち、近年ではキタサンブラックとのコンビでの逃げが印象的。同厩舎のトウケイヘイローとのコンビでは、2013年の香港カップで2着に逃げ粘りました。
名手の技とは、どういうものなのか? 騎手の同期で、サイレンスズカとの対戦経験がある蛯名正義調教師、そしてキタサンブラック・トウケイヘイローを輩出した清水久詞調教師に、それぞれの見解を語っていただきました。
(取材=大恵陽子)
キタサンブラックのラストランは、まさに“完璧”
武豊騎手とはキタサンブラックで数多くのGIを勝たせていただきました。
ブラックがユタカさんとのコンビで最初にGIを勝ったのは2016年の天皇賞・春で、道中は「よしよし」といい感触を持ちながら見ていました。
ユタカさんはすごくペース配分が絶妙で、後続にマクられないようなペースで逃げて、なおかつしっかりと脚も溜めてくれます。そのスピード感覚は本当に素晴らしいなと思います。
直線ではカレンミロティックに一度交わされて、僕も負けたと思いましたけど