タイトルホルダー、スターズオンアースに次いで3頭目となるドゥラメンテ産駒GI勝ち
先週の血統ピックアップ
・12/11 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI・阪神・芝1600m)
中団を追走したリバティアイランドが残り200mで先頭に立ち、シンリョクカに2馬身半差をつけて快勝しました。勝ちタイム「1分33秒1」は直近10年間で2位タイ、「2馬身半」という着差も2位なので、内容的には優秀だったと思います。
父ドゥラメンテは現在、総合種牡馬ランキング第5位。わずか3世代でこの位置にいるのは優秀で、GI勝ち馬はタイトルホルダー(菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念)、スターズオンアース(桜花賞、オークス)に次いで3頭目となります。2022年のJRA賞はドゥラメンテ産駒から大量選出があるかもしれません。
母方にゴーンウェストを持つドゥラメンテ産駒、というパターンはタイトルホルダーと同じ。この配合はアベレージが高く成功しています。母ヤンキーローズは芝1400mと芝2000mの豪G1を2勝し、豪2歳短距離王者決定戦のゴールデンスリッパーS(G1・芝1200m)で2着と健闘。リバティアイランドを出したことで繁殖牝馬としてもきわめて優秀であることを証明しました。
現1歳はロードカナロアの牡馬、当歳はキズナの牝馬、来年生まれるのはコントレイルの仔です。母は2000mのG1も勝っているので距離が延びても問題ないでしょう。配合的にも素晴らしく、大きな可能性を感じさせる逸材です。
・12/11 カペラS(GIII・中山・ダ1200m)
中団を追走したリメイクが直線で大外に持ち出すと、1頭だけ違う脚いろで突き抜け、2着リュウノユキナに4馬身差をつけました。重賞初制覇です。父ラニは3歳春にUAEダービー(首G2・ダ1900m)を勝ち、米三冠レースのひとつベルモントS(米G1・ダ12ハロン)で3着と健闘しました。
3年連続米リーディングサイアーとなったタピットが父、牝馬ながら天皇賞・秋を制したヘヴンリーロマンスが母、という超良血です。ヘヴンリーロマンス、ラニともノースヒルズの生産馬であり、こうした血統背景を持つ種牡馬から、自らの牧場で重賞勝ち馬を生み出したノースヒルズの喜びはひとしおでしょう。
リメイクの母サリエルは「キングカメハメハ×ナシュワン」という組み合わせながらスプリンターとして活躍。2代母シンコウノビーはファンタジーS2着馬です。母方のスピードが父ラニのスタミナよりも優越した、ということでしょう。レース創設以来、4馬身という着差は2番目に大きいもので、リメイクはまだ3歳馬ですから、今後の伸びしろは大きいはずです。
今週の血統注目馬は?
・12/18 寒椿賞(2歳1勝クラス・中京・ダ1400m)
中京ダ1400mと相性のいい種牡馬はディスクリートキャット。連対率25.0%は、2012年以降、当コースで産駒が20走以上した112頭の種牡馬のなかで第3位。当レースに産駒が登録している種牡馬のなかではナンバーワンです。ニシノカシミヤはディスクリートキャット産駒。前走、強敵相手のオキザリス賞は逃げて5着。今回は血統的に適性の高い中京コースに替わるので期待できます。
今週の血統Tips
JRAにおけるノーザンファームの賞金シェアは、2018年以降、22.7%→23.6%→22.5%→22.9%→20.8%となっています。12月第2週終了時点で、今年は直近5年間におけるもっとも低調な成績となっています。低調といっても、賞金シェアが10%を超えている牧場は他になく、わが国のサラブレッド生産界における圧倒的なリーディングカンパニーである事実は不動です。
朝日杯フューチュリティSはノーザンファームが得意とするレースのひとつで、阪神競馬場で行われるようになった2014年以降、昨年までの8年間で5勝、2着4回、3着2回。賞金シェア50.2%を記録しています。今年はコーパスクリスティ、ダノンタッチダウン、ドンデンガエシの3頭が登録しています。
すべて2勝以上を挙げており、なかでも一昨年の2歳王者ダノンザキッドの半弟ダノンタッチダウン(父ロードカナロア)は、血統だけでなくスケールの大きな走りからも人気を集めそうです。