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まだまだ大物を出せそうな母アユサン

  • 2022年12月19日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・12/18 朝日杯フューチュリティS(GI・阪神・芝1600m)
 好スタートから3番手を追走したドルチェモアが残り200mで先頭に立ち、ダノンタッチダウンの追い込みをクビ差抑えました。これでデビュー以来3戦全勝。

 ルーラーシップ産駒のGI制覇はキセキの菊花賞以来5年ぶり2回目で、2頭は奇しくも下河辺(しもこうべ)牧場の生産馬。なおかつ「ルーラーシップ×ディープインパクト」という組み合わせです。ルーラーシップ産駒は総じて鋭い脚に欠けるので、ディープインパクトのようなピリッとした脚を伝える血は合うのでしょう。

 このレースでは6着と敗れたオールパルフェ(デイリー杯2歳S)も、父の父がディープインパクト、母の父がルーラーシップ、という血統です。この2つの血の組み合わせを持つ馬は、今後も注目したいところです。

 ドルチェモアの母アユサンは桜花賞馬。2013年春、当時20歳のクリスチャン・デムーロ騎手がGI初制覇を飾った馬です。これまでJRAでデビューした4頭の産駒のうち2頭が勝ち上がっており、繁殖牝馬としても優秀。まだまだ大物を出せそうです。

・12/17 ターコイズS(GIII・中山・芝1600m)

 後方からマクったミスニューヨークがゴール直前でウインシャーロットをクビ差とらえました。2連覇達成です。昨年は800m通過が45秒4というハイペースだったので、最後方から大外一気で差し切りました。今年は同47秒0というスローペースだったので、道中から動いていきました。ミルコ・デムーロ騎手の変幻自在の好騎乗です。

 父キングズベストはダービー馬エイシンフラッシュの父として知られていますが、日本で種付けをして誕生した産駒はJRA重賞4勝目。

 ミスニューヨークの他に、トーラスジェミニが七夕賞を、ショウナンバルディが中日新聞杯を勝っています。ミスニューヨークとトーラスジェミニは、いずれもマンハッタンカフェを母の父に持つので、配合構成が似ています。

 キングズベストは、ヨーロッパの大種牡馬ガリレオやシーザスターズを近親に持つ重厚な血統構成なので、少し時計の掛かる馬場が合っています。今年は良馬場でも勝ち時計が1分33秒5と、時計の掛かるコンディションだったのも良かったのでしょう。

今週の血統注目馬は?


・12/24 阪神C(GII・阪神・芝1400m)
 阪神芝1400mと相性のいい種牡馬はドリームジャーニー。連対率23.7%は、2012年以降、当コースで産駒が20走以上した74頭の種牡馬のなかで第3位。当レースに産駒が登録している種牡馬のなかではナンバーワンです。トゥラヴェスーラはドリームジャーニー産駒。

 当コースで行われた今年春の阪急杯で9番人気ながら2着となっています。外が伸びる馬場になればおもしろいでしょう。

今週の血統Tips


 今年の有馬記念は豪華メンバーで争われます。今年GIを勝った馬が大量に顔を揃えます。ジャパンC、エリザベス女王杯、天皇賞・秋、宝塚記念、天皇賞・春、大阪杯。3歳三冠レースの勝ち馬はいませんが、天皇賞・秋を勝ったイクイノックスを筆頭に、ボルドグフーシュ、ジャスティンパレスが出るので、例年と照らしても十分でしょう。

 この豪華メンバーは、今年から有馬記念の1着賞金が4億円に増額されたことと無縁ではないはずです。昨年までは3億円だったので一挙に1億円増。すでに報道されているとおり、来年はさらに1億円上積みして5億円となります。ジャパンCも足並みをそろえて5億円。来年もしジャパンC→有馬記念を連勝すれば10億円ですから魅力的です。

 もちろん、今年連勝しても4億円+4億円ですから8億円。ヴェラアズールにその資格があります。キングズベストの父系に、母方にサンデーサイレンスが入るので、先週ターコイズSを勝ったミスニューヨークと似た配合構成です。いまの中山コースには合いそうです。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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