12月24日、オジュウチョウサンを最後の大舞台へ送り出した長沼昭利厩務員(撮影:下野雄規)
本日の中山大障害を最後に、ターフに別れを告げたオジュウチョウサン。通算成績は40戦20勝、史上最多のJ・GI9勝を誇る“絶対王者”。2018年には有馬記念にも出走するなど、今日まで長きに渡り競馬界を盛り上げてくれました。そんなオジュウチョウサンの1番近くで、長い時間を共に過ごした長沼昭利厩務員に、これまでの苦労や思い出を綴っていただきました。
(構成=東京スポーツ・藤井真俊)
初対面で噛みつかれ、叩かれ、アバラは3本折れ…
ついにお別れの時が近づいてきてしまいました。ラストランとなった中山大障害を終えて、美浦トレセンで一緒に過ごすのもあとわずか。これまで家族より長い時間を一緒に過ごしてきた相棒ですからね。寂しい思いでいっぱいです。
残念ながらラストランとなった中山大障害を勝利で飾ることはできませんでした。でも自分としては精一杯に作ったつもりだし、最後まで無事に完走してくれたオジュウを誇りに思います。今まで本当にお疲れさまでした。
相棒と歩く、最後のパドック(撮影:下野雄規)
結果は6着となったが、ラストランを無事に完走(撮影:下野雄規)
また最終レース終了後にはたくさんのファンの皆さんに引退式を見守って頂きました。寒い中、温かく見送ってもらえてオジュウは本当に幸せだと思います。そんな馬に携わることができた自分も幸せでした。
オジュウに初めて会ったのは2014年の暮れ。彼がまだ3歳の時ですね。当時所属していた小笠倫弘厩舎から転厩してくるということで、歩いて小笠厩舎まで迎えに行ったのですが、いきなり立ち上がって噛みついてきたんですよ。四苦八苦しながら何とか和田正一郎厩舎に連れて帰ったのですが、これからどうなるんだろう…と先が思いやられましたね(苦笑)。