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【愛知杯・日経新春杯・京成杯予想】ヴェルトライゼンデの調教過程に好走の兆しあり

  • 2023年01月11日(水) 18時00分

2つのハンデ戦に3歳重賞とかなり難解な週だが…


 年明け、5日の開催と3日間開催。皆様、馬券の方はいかがだったでしょうか。私はというと、重賞ではサッパリの成績。フェアリーSはかなり自信があったんですが、過去5年で好走例のない坂路調教馬の2着など、外れるにしても、もう少し納得できる外れ方ならなあ、と悔いが残る内容となってしまいました。

 ただ、重賞以外では調教適性に該当した馬がちょくちょくと好走を見せていて、自分が◎さえ打ち間違えなければというレースも。といっても、なかなかクリーンヒットがなかった中で、1月9日の中山3Rで久しぶりの大当たり。自分のInstagramには「馬連とりました」といったコメントもあったりして、少しはお役に立てたのかと。気になる方はウマい馬券からご覧ください。

 というわけで、この調子で今週末こそ重賞を!! ハンデ戦ふたつに特別登録9頭の3歳重賞。なかなか厳しいファーストインプレッションですが(笑)、少しでも皆様のお役に立てるように。そして、ここでは馬券攻略の糸口になるような調教解説に努めたいと思います。

【愛知杯/アートハウス】

 11日午後のnetkeiba.comの予想単勝オッズは1番人気。ローズS勝ちで中京実績があって、秋華賞5着なら力も上という判断をされているのかもしれませんが、個人的にはちょっと意外。というのも、同じようなローテーションで1番人気に支持されたのが、アンドヴァラナウトで、昨年は11着に敗れています。いきなりの古馬混合でどうかというところはあるでしょう。

 調教内容に関しては、12月下旬から年明けにかけて、追い切りを消化。本数は多くありませんが、1本ずつの負荷はしっかりとかけられていて、休み明けでも中身は出来ていそうな感じ。最終追い切りは11日に6F87.4秒と遅い数字になりましたが、最後の直線は11.6秒から11.1秒。全休明けの追い切りですから、終い重点は納得ですし、調教からは軽視する理由はないでしょう。

調教Gメン研究所

休み明けでも中身は出来ていそうなアートハウス(1月11日撮影)


【愛知杯/マリアエレーナ】

 昨年のこのレースは2着。当時が53キロだったことを思えば、いくらその後に重賞を勝ったとはいえ、56.5キロという斤量が見た目に重たく感じてしまいます。ただ、個人的には天皇賞(秋)で本命を打ったくらいですから、ここでの実力はトップだと思っています。

 調教内容ですが、年明け、1月4日のCWの時計は昨年の方が速かったのですが、今回は坂路で積極的に時計を出しています。特に12月28日の坂路が4F52.9秒で2F24.5秒。昨年よりもパワーアップした状態で出走できるのは間違いないと思います。

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昨年よりもパワーアップした状態で出走できそうなマリアエレーナ(12月13日撮影)


【京成杯/セブンマジシャン】

 ホープフルS6着で連勝はストップ。3番人気でこの結果、上がりはメンバー4位ですから、この結果を中山適性が低いとカウントするのか、調子が悪かったとカウントするのかどうか。これに関しては前者というのが個人的な意見。

 というわけで、調教内容ですが、今回は変則的な中2週。これまた判断が難しいところですが、11日の最終追い切りは4F54.3秒ですから、前走から極端に時計が遅くなったということはありません。また、1月8日にも時計を出していることを思えば、これも評価できます。あとは中山芝2000m。これだと思います。

【日経新春杯/ヴェルトライゼンデ】

 オールカマーは7着に敗れたものの、JCが3着。オールカマーが中間の追い切りで併せ馬を遅れていたことが敗因だとすれば、きっとJCの時は2週前追い切りが古馬OPのスマートクラージュを追走して先着したことが好走要因だと考えてよいでしょう。

 今回は1月5日の坂路での追い切りが古馬2勝クラスを追走して先着。4F51.5秒なら十分動いたといったところでしょうか。11日時点では最終追い切りを行っていないと思うので、最終確認はこの内容次第でしょうが、中間の調教量が豊富、負荷も十分なのは間違いありません。

【日経新春杯/ヤマニンゼスト】

 神戸新聞杯2着は当時の単勝人気からもフロック好走に思われるところでしたが、菊花賞6着はこの馬自身の地力を証明するもの。2着ボルドグフーシュが有馬記念でも2着に好走しており、長距離戦においてこの馬の力はすでに古馬相手に通用すると考えてよいでしょう。

 それだけにあとは前走からの疲労。これに関しては、順調に追い切りを消化していることを思えば、全く問題ないといってもよさそう。11日の最終追い切りはCWで鷲頭虎太騎手が跨って単走という、いつものパターン。前半が少しちぐはぐになるというのは前走と同じですし、最後の直線2Fのラップもほぼ同じ。調教内容は評価すべきだと思います。

調教Gメン研究所

いつものパターンで最終追い切りをしたヤマニンゼスト(1月11日撮影)



◆次走要注意

・1/5 3歳1勝クラス【フリームファクシ】(1人/1着)

 12月22日のCWでのラスト1Fが10.6秒。とんでもない脚力を披露していましたが、レースでもきっちりと勝ち上がりました。次は重賞へ向かうことが発表されましたが、少しレース間隔がありますから、やはりCWでのラストには注目です。

[メモ登録用コメント] [きさらぎ賞]CWでラスト1F10秒台マークなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝2200m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 過去2年、中京芝2200mで行われた日経新春杯も1着は2年とも◎に該当。昨年は3着が坂路調教馬でしたが、大波乱の2021年は2着3着も併用調教馬でした。決して坂路調教が悪いわけではありませんが、併用に決め打ってもいいレースかも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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