スケールアップした馬体を見せるガイアフォース
人気のガイアフォース(父キタサンブラック)は、今回は500キロを上回るスケールアップした馬体と思える。フットワークも一段と力強くなった。
1キロ増だけの別定57キロに不利はなく、中山2200mは1勝クラスを勝ったばかりでのちの菊花賞馬アスクビクターモアを競り負かした距離。菊花賞は最内枠でずっと被される展開が、少し不器用な大跳びだけにきつかった。タフな芝も、外枠も有利だ。
父キタサンブラックは、4歳イクイノックス、3歳ソールオリエンスなど、大物を出す種牡馬になりつつあり、2世代で、もう総合種牡馬ランキング上位だ。
2021年1月に23歳で老衰死した母の父クロフネは、2007年から12年連続して総合種牡馬ランキング10位以内の名種牡馬だった。現在はブルードメアサイアー(母の父)の時代に移り、今年を含めもう8年連続してベスト10入り。最近5年は「3、3、3、3、4位」。直仔の時代よりむしろ影響力は強い。
クロフネの産駒は芦毛馬の方が断然活躍し、重賞を制した30頭近い直仔のうち、7割以上が自分と同じ芦毛か、ソダシと同じ白毛だった。ただし、クロフネは知られるように男馬に逸材が少なく、後継種牡馬はごく少数。そのため父系からの芦毛は伝わりにくい。
芦毛の遺伝の法則通り、クロフネの芦毛の活躍牝馬が芦毛の産駒を送るとは限らない。母の父にクロフネを持つ芦毛の活躍馬は意外なほど少なく、GI馬はノームコア(ヴィクトリアマイルなど)、クロノジェネシス(有馬記念など)姉妹だけにとどまる。
かつて、メジロマックイーンがそうだった。その芦毛は現在ゴールドシップ(母の父メジロマックイーン)に受け継がれている。
ガイアフォースは成長して、第二のゴールドシップになれる可能性がある。東海Sの7歳ハヤブサナンデクン(母の父クロフネ譲りの芦毛)にもまだ望みはある。
ガイアフォースの相手は、筆頭はエピファニーだが、途中からでも動くバビット、追い込むラーゴムは入れておきたい。