速い上がりを使えるレモンポップの走りはプラス要素となる(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
近年フェブラリーSの重要な前哨戦となっている根岸S。いつも言っているが数少ない中央競馬のダート1400m重賞で、かなりの好メンバーが揃う。フェブラリーSを見据えている実績馬もいるが、1600mは距離が長いので1400mのここで結果が欲しい馬や、ここで賞金を加算してフェブラリーSを使いたい勝負度の高い馬も出走してくる。毎年高レベルレースになっている。
根岸Sの特徴に「上がり上位馬が強い」ことがある。過去10年の勝ち馬は全て上がり3位以内(1位4頭、2位5頭、3位1頭)で、3着以内馬も30頭中20頭が該当。これは数少ない中央ダート重賞なので、1200mがベストの馬を使ってくることで、ハイペースになりやすいことが影響している。
ただ、近年は1200mのトップクラスが海外挑戦(サウジアラビアのリヤドダートスプリント)することが増えた。これが原因で、ハイペースで差し・追い込みが有利な根岸Sに変化が出る可能性がある。今年は、1200mがベストで前に行きそうなのはオーロラテソーロだけ。ハイペースまで速くなりそうな出走メンバーではない(砂を被りたくない馬がいるので、枠の並びが展開に影響するので注意)。
その恩恵を受けそうなのが、レモンポップ。この馬は、勝った6勝全てが4番手より前で最速上がり。ハイペースになることがプラスになる馬ではない。数年前の差し・追い込みで速い上がりを使える馬を買う根岸Sなら「危険な脚質」になるのだが、今年の出走メンバーなら逆のパターンになる可能性が高い。そうなると、前で速い上がりが使える走りはプラス要素となる。
あと1頭挙げたいのが、ヘリオス。ハイペース傾向が少し薄くなっていた前年の2着馬。地方交流重賞路線を使っているので印象が薄くなっているが、東京1400m巧者。1200mベストの馬が少なくなっていることは、1400mベストで前に行きたいこの馬にはプラス要素になる。転厩初戦が課題ではあるが、人気より期待値は高いはず。
2・3着で穴をあける馬は、東京実績のある馬が中心。でも、今年は想定される人気上位馬がみんな東京実績がある(例年はこんなに揃っていない)。大荒れを期待しにくい条件になっているので、馬券の買い方も重要になる。
最終的にどの馬を中心にして、どのように買うか。枠の並びから展開を想定して判断したい。予想の参考になるように、各馬の適性を記載しての結論をウマい馬券の予想にまとめるので注目してください。
■プロフィール
nige(にげ)
SEの仕事を辞して、2014年より「ダート馬券師兼馬券ヘルパー」として活動中。地方競馬を含めてダート競馬全般を得意としており、的確な分析には定評がある。過去の実績から、コース形態・馬場・展開・力関係など総合的に判断して、レース条件に合う適正な馬を選択するシンプルなスタイル。元サラリーマンなだけに、無理な穴狙いはせず、現実的に買えるように点数が少なくなることを意識して買い目を提供。ブログ「スマートボーイのように逃げたい…」随時更新中。