距離短縮の今回はライバルを上回る
好位を追走した馬と、差し馬(追い込み)の「組み合わせ」が圧倒的に多いのがこのレースの特徴。昨年はテイエムサウスダンが1分23秒1(自身の上がり35秒8)で中位から差し切り、好位追走のヘリオスが2着に粘り、後方から突っ込んだタガノビューティーが3着だった。
東京ダート1400mは、芝1400mと同じで差し馬に不利はないが、近年は流れ(ペース)そのものはあまり速くならない。良馬場で行われた過去10回の勝ち時計平均は1分23秒31。レース全体のバランスは平均「前半35秒07-(12秒01)-後半36秒23」。逃げ馬の粘り込みは少ないが、短距離戦にしてはハイペースではない。
たまたま昨年の3頭は根岸Sの標準レベルそのものだった。この3頭と互角のレースに持ち込み、さらに逆転しようとするには、時計の裏付けが欲しい。レモンポップ(父Lemon Drop Kidレモンドロップキッド)は東京ダート1300-1400m5戦5勝のスペシャリスト。光るのは4馬身差で圧勝した前々走ペルセウスS1分22秒7(良)の中身。
直線に向くまで、前出の良馬場10回の根岸Sとほとんど同じペースを好位で追走して、後半の3ハロンを35秒3でまとめる完勝だった。今回は当時と同じ57キロで、もまれる危険の少ない同じ13番枠でもある。5歳馬だが、一年間の長期休養があるのでキャリア9戦だけ【6-3-0-0】。まだ上積みがある。
前走の武蔵野S1600mは抜け出した瞬間、切れる牝馬ギルデッドミラーに差されてハナ差の惜敗だが、1400mをベストとするスプリンター体型だけに、あと1ハロンが長かったためだろう。ギルデッドミラーの方がマイル適性で上回った。
人気になり過ぎの心配はあるが、レモンポップから入る。人気薄の相手には、今年も含め3年連続してダート限定総合種牡馬ランキング1位に躍り出ているヘニーヒューズ産駒の3頭「セキフウ、アドマイヤルプス、タガノビューティー」を加えたい。
「シルクロードS」。こちらもマッドクールが当初考えられたより人気になっているが、父ダークエンジェル(愛)の4勝も、その父アクラメーション(英)の6勝も、その父ロイヤルアプローズ(英)の9勝もすべて芝6F以下だった。