スマートフォン版へ

【福永祐一×藤岡佑介】これからは“福永祐一調教師”として──ジョッキーに求める姿勢と理想の厩舎像/第4回

  • 2023年03月01日(水) 18時01分
“with佑”

▲調教師としてジョッキーに求めることとは(撮影:桂伸也)


今日、3月1日からは調教師となる福永祐一調教師。これまではジョッキーとして騎乗依頼を受ける側でしたが、今度は依頼する側へ。新たな視点で今後の競馬界の課題や、乗り替わりが多い今の時代のジョッキーに求める姿勢について、佑介騎手と話します。

さらに1年後の厩舎開業へ向け、福永調教師が思い描く理想の“福永厩舎”についても語ってくれました。

(取材・構成=不破由妃子)

27年間、これだけは貫いたという馬に対する姿勢


佑介 今後は、僕らジョッキーを起用する立場になるわけですが、こういうジョッキーに出てきてほしいとか、もっとこういう方向に進んで行ってほしいとか、調教師目線で思うところはありますか?

祐一 やっぱり、今の競馬界にとって必要なのは、スタージョッキーの出現だと思う。(武)豊さん以降、出てきていないからね。豊さんを超えるのは難しいと思うけど、豊さんに匹敵するくらいのスタージョッキーの存在は、これからの競馬界にとって絶対に必須。でもねぇ、そればっかりは、頑張ったらなれるという類のものではないからなぁ。

佑介 そうですよね。人間性だったり、もともと兼ね備えている華だったり…。実際、豊さん以降、35年以上出てきていないわけで。

祐一 そうやね。あと、日本人ジョッキーに限らずだけど、競馬、そして馬に対して、誠実なジョッキーがもっと増えてくれたらうれしいなって。その点、俺が好きなのは、やっぱりライアン(・ムーア騎手)。競馬に対する姿勢、競走馬に対する姿勢が、彼は素晴らしいと思うから。結局のところ、騎手に求められるのは技術であり、依頼が少なくなったり、ほかのジョッキーに乗り替わるというのは、そういうことやからね。そうなったときに、「自分の技術が至らなかった」と受け止められるかどうか。そう受け止められなければ進歩はないし、俺はそうやってここまでやってきた。で、そこでもうひとつ大事になってくるのは、そういう姿勢をちゃんと評価してくれる人がいること。

──そこから先は、見る側のレベルや誠実さも問われてくるということですね。

祐一 うん。外国人ジョッキーといっても千差万別で、誰もが上手なわけではない。もちろん

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

質問募集
with 佑 / 藤岡佑介
このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。あなたから
コラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。
質問フォームへ
with 佑とは
JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング