▲今年のドバイWCデーを振り返ります(撮影:高橋正和)
今年は史上最多26頭もの日本馬が参戦したドバイWCデー。結果はUAEダービーの上位独占から始まり、ドバイSCを圧巻の勝利。そして最後に川田騎手とウシュバテソーロがドバイWCを制覇。先月のサウジCデーに続き、今度はドバイの地から日本へ快挙を届けてくれました。
川田騎手がウシュバテソーロと最初にコンタクトをとったのはドバイの地。そんなレース当日までの僅かながらも貴重な時間で感じたのは「我の強さ」と「和生との時間」だと話します。川田騎手がぜひ読者に届けてほしいという、もう一人の立役者・横山和生騎手について。快挙の裏側と合わせて前後編でお届けします。
(取材・構成=不破由妃子)
俺が勝つワールドカップのスタンドって、こういう雰囲気なんだな
──川田さん、お帰りなさい。そしてそして、感動をありがとうございました。川田さんも、レース後はいつになく解放されたような晴れやかな笑顔で、そんな川田さんを見られたことも、なんだか新鮮でした。
川田 レースを終えて、仕事を終えて、無事に連れて帰ってきて、厩務員さんに馬をつかんでもらったあとはね。そこからはもうウシュバを讃え、みんなで喜びを分かち合う時間ですから。以前に比べると、僕自身も喜びを分かち合えるようになりました。
──しかも、非常にインパクトのあるレース内容で。ドキドキしながら見ていたのですが、川田さんからすると、“してやったり”だったんでしょうね。
川田 レース以前に、返し馬を終えて、4コーナーでUターンをしてスタンドに向いたとき、「ああ、今日勝つんだな」と感じたんですよね。
──あ! 確かマカヒキのダービーのときも…。
川田 あのときは、朝起きた瞬間に感じたので、1日その思いで過ごしながら、返し馬でスタンドを見たとき、「ああ、これが俺が勝つダービーの景色か」と。今回も同じ気持ちで、スタンドの景色を眺めていました。
──その根拠は…というのは愚問ですね。
川田 根拠はまったくないです。なんの前触れもなく、ふと感じるものなので。でも、僕にはごくたまにそういう瞬間が訪れる。そういう感覚を得たときは、僕の経験上、負けることはない。今回も