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追い切りで感じた「和生との時間」──彼が乗っていたからこそ、ウシュバはこの舞台に辿り着けた【月刊 川田将雅・前編】

  • 2023年03月31日(金) 18時02分
“VOICE”

▲今年のドバイWCデーを振り返ります(撮影:高橋正和)


今年は史上最多26頭もの日本馬が参戦したドバイWCデー。結果はUAEダービーの上位独占から始まり、ドバイSCを圧巻の勝利。そして最後に川田騎手とウシュバテソーロがドバイWCを制覇。先月のサウジCデーに続き、今度はドバイの地から日本へ快挙を届けてくれました。

川田騎手がウシュバテソーロと最初にコンタクトをとったのはドバイの地。そんなレース当日までの僅かながらも貴重な時間で感じたのは「我の強さ」と「和生との時間」だと話します。川田騎手がぜひ読者に届けてほしいという、もう一人の立役者・横山和生騎手について。快挙の裏側と合わせて前後編でお届けします。

(取材・構成=不破由妃子)

俺が勝つワールドカップのスタンドって、こういう雰囲気なんだな


──川田さん、お帰りなさい。そしてそして、感動をありがとうございました。川田さんも、レース後はいつになく解放されたような晴れやかな笑顔で、そんな川田さんを見られたことも、なんだか新鮮でした。

川田 レースを終えて、仕事を終えて、無事に連れて帰ってきて、厩務員さんに馬をつかんでもらったあとはね。そこからはもうウシュバを讃え、みんなで喜びを分かち合う時間ですから。以前に比べると、僕自身も喜びを分かち合えるようになりました。

──しかも、非常にインパクトのあるレース内容で。ドキドキしながら見ていたのですが、川田さんからすると、“してやったり”だったんでしょうね。

川田 レース以前に、返し馬を終えて、4コーナーでUターンをしてスタンドに向いたとき、「ああ、今日勝つんだな」と感じたんですよね。

──あ! 確かマカヒキのダービーのときも…。

川田 あのときは、朝起きた瞬間に感じたので、1日その思いで過ごしながら、返し馬でスタンドを見たとき、「ああ、これが俺が勝つダービーの景色か」と。今回も同じ気持ちで、スタンドの景色を眺めていました。

──その根拠は…というのは愚問ですね。

川田 根拠はまったくないです。なんの前触れもなく、ふと感じるものなので。でも、僕にはごくたまにそういう瞬間が訪れる。そういう感覚を得たときは、僕の経験上、負けることはない。今回も

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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