人気馬の強烈なクロス配合にも注目
牝馬の「桜花賞」が6年連続して3月のレース(トライアルなど)に出走しない馬が勝ったように、皐月賞に挑戦するスケジュールも大きく変化した。
2012年にゴールドシップが共同通信杯1着→皐月賞1着を決めて以降、この11年間の皐月賞で馬券に絡んだ馬の出走した3歳重賞は(複数レース出走馬も含めて)、
▽共同通信杯 8頭(1着6頭)
▽弥生賞 8頭(1着0頭)
▽スプリングS 6頭(1着2頭)
がベスト3。直行馬の6勝を中心に、2月の共同通信杯組の成績が光っている。
今年の該当馬は内枠から順にウインオーディン、ファントムシーフ、タスティエーラ、タッチウッドの4頭。共同通信杯組を軽視することはできない。弥生賞出走馬も、共同通信杯にも出走したタスティエーラなど4頭が出走する。
スプリングS組も同じように4頭。天気が崩れてベラジオオペラの人気が高まっているが、総じて人気はない。ただ、今年はスローの路線重賞ばかりが連続したが、スプリングSは重馬場なのに最近20回の中山1800mで行われたスプリングSでは、グラニットが1000m通過59秒4で飛ばしもっとも速いペースだった。渋馬場を考慮すると1分48秒9の時計も決して遅くない。レースレベルは低くない。
急上昇ベラジオオペラは当然要注意だが、残り600mから手が動き、追い通しでバテなかったのはホウオウビスケッツ。2走前のフリージア賞(東京2000m)で、後半1000mを57秒7で乗り切った際とは馬場状態もペースもまったく異なるのに、最後までバテなかった。マインドユアビスケッツ産駒は、UAEダービー1900mを5馬身半差で独走したデルマソトガケが示したように、母方次第で距離はこなせる。
ホウオウビスケッツの血統背景は、祖母はディープインパクト産駒で、キングカメハメハ(母マンファス)の半妹。母ホウオウサブリナの父はキングカメハメハ直仔のルーラーシップなので、ホウオウサブリナはマンファスの「3×2」になる。
人気のファントムシーフの強烈なクロス配合が注目されているが、ホウオウビスケッツも珍しい牝馬クロスを持ち、仮に7代血統図を作ったとすると、ノーザンダンサーが8回も登場する。ファントムシーフの場合は7回。