今週から久しぶりの京都競馬が開幕。馬場傾向は見てみないと分からないところはありますが、コース形状は変わらないので、その辺りを考慮しながら日曜メインのマイラーズCを予想したいと思います。

　このレースに出走を予定している有力馬について馬場や馬体といった視点を中心に解説していきます。

エアロロノア

　前走は東京新聞杯に出走して5着。直線は良く伸びていましたが、位置取りと馬場を考えると届かなかったのも仕方がないでしょう。状態的にも少し余裕があったと思います。今回は当時よりも絞れて見えますし、筋肉の質も良質。ある程度時計が速くなっても対応できますが、クッションの利いた馬場が理想です。土曜日の競馬を見て、ある程度クッションが良いようなら買いたい馬です。

ガイアフォース

　前走はAJCCに出走して5着。当時は馬体に少し余裕があった印象ですが、今回は無駄な脂肪が取れて良くなっています。体型的にも実績的にも2000mくらいがベストですが、スピードがあるのでマイルの距離もこなせなくはないでしょう。小倉でレコード勝ちしているように、京都コースも合いそうですし、時計勝負になれば浮上してくると思います。

グラティアス

　前走は六甲Sで5着。ハーツクライ産駒ですが、良馬場の方が合いそうなタイプです。今回は皮膚を薄く見せて筋肉の張りも良く、状態としては最近で一番くらいに見えます。手先に軽さがあるので、京都の開幕週という条件も合うと思います。ここが狙い目でしょう。

サヴァ

　ずっとダートに使ってきましたが、2走前から芝に使われ、前走は六甲Sで結果を出しました。筋肉隆々の好馬体で、トモの張りなど抜群。ただ、前走が重馬場での勝利だったように、骨格や筋肉量から時計の掛かる馬場向きでしょう。週末まで晴れ予報なので、その点ではマイナスです。

ジャスティンスカイ

　2勝クラスからオープン・洛陽Sまで3連勝。前走で530キロの馬体重、柔軟な質の筋肉が豊富についた好馬体は正に迫力満点。写真では少し立派過ぎる感じもありますので、その点には注意したいと思いますが、非常に充実していて、多少太かったとしても大崩れはないでしょう。

シュネルマイスター

　腹がボテっと映るのは体型です。前走(中山記念4着)でも良く見えましたが、今回は無駄肉が減って動きやすい体付きになっています。上積みは十分あると思います。時計勝負も望むところですし、ここはまず勝ち負けでしょう。

ソウルラッシュ

　昨年の勝ち馬。昨年のマイルCS4着以来のレースとなりますが、筋肉の張りが目立っていて、仕上がりは良さそうです。骨格がガッチリしているので、阪神コースと京都コースの比較で言うと阪神が向くと思いますが、こなせなくはないでしょう。勝ち切るところまではどうかですが、上位争いには持ち込めて良いと思います。

【総括】

　現時点ではシュネルマイスターの軸で良いと思います。相手で面白いのはガイアフォースやグラティアスあたりでしょう。ジャスティンスカイなどは調教の動きに注目したいと思います。また、写真がなかったのでここでは書きませんでしたが、キングエルメスは京都コースが合いそうで、上位評価したいと思います。結論は枠順や馬場状態、調教などを加味し、ウマい馬券で提供しますので、そちらもご注目下さい。



■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
　2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。