ニュージーランドT組の見るべきポイント
NHKマイルというと毎年悩まされるのが、ニュージーランドトロフィー(以下ニュージーランドT)組の扱いである。トライアルと本番、コースは違えど同距離なのだからすんなり繋がってもいいはずなのだが、実際にはなかなかややこしい。
ニュージーランドTが1600mになったのが2000年、東京が改修されたのが2003年。いまの条件と同じということで、2003年以降のNHKマイルCのうち、震災の影響でニュージーランドTが阪神だった2011年を除く19回を対象とする。
まず、ニュージーランドT組の成績自体があまり芳しくない。該当数が多いせいもあって対象期間全体で[5-4-4-97]の複勝率11.8%にすぎない。
深刻なのはニュージーランドTを勝ってきた馬の成績で、NHKマイルCでは[1-1-0-17]。ニュージーランドT2着組の[1-3-0-12]や3着組の[2-0-1-13]も良くはないが、こちらは人気薄好走馬がいて複回収率は100%以上になっている。ニュージーランドT勝ち馬は回収率が単19%・複29%だ。
同距離のレースどうし、しかもニュージーランドTも馬齢戦なのにどうしてこういうことになるのか。思い当たるのは中山と東京の適性の違いだが、実際にはそうとも言えない。
ニュージーランドT→NHKマイルCときて後者で3着以内した13頭のうち、それ以前に東京芝に出走歴があったのは4頭だけで、そこで好走していたのはダイワバーバリアンの500万条件1着があるだけだ。
ならば状態などが影響しているのか。だとするとデータでは扱いづらいところだが、馬体重変動に少し手がかりがある。対象期間のニュージーランドT→NHKマイルC該当馬をNHKマイルCにおける馬体重変動で見ると、
馬体重増で連対した2頭も+2キロと+4キロで、大きな増ではない。多少強引に解釈すれば、前走時にフィットしすぎていた馬は駄目で、余裕のあった馬は負けてきても変わり身があると考えることもできる。
我々は前予想を出す身なのでシルシには反映できないが、皆さんは取捨に悩むニュージーランドT組について、「ひどすぎない程度に負けてきて、今回馬体重減」を基準に扱いを決めてもよいのではないだろうか。
ちなみに対象とした年のニュージーランドT勝ち馬のうち、NHKマイルCで連対した2頭はともに馬体重減(馬体重減6頭中)。増減なしは5頭、馬体重増は10頭いて3着以内なしとなっている。今年のエエヤンは-8キロ→-10キロからの今回なので、馬体重増になってきそうな予感はある。