3代母は名繁殖牝馬 シャンパンカラーは重賞初制覇がGIタイトルに
先週の血統ピックアップ
・5/7 NHKマイルC(GI・東京・芝1600m)
外から抜け出したシャンパンカラーがウンブライルの猛追をアタマ差しりぞけ、初のGIタイトルを獲得しました。重賞初制覇でもあります。青山洋一オーナーはジュエラーの桜花賞以来7年ぶりのGI制覇。ジュエラーの母バルドウィナは、他にワンカラット(短距離重賞4勝)、サンシャイン(エルフィンS)を産んだ名繁殖牝馬で、シャンパンカラーの3代母でもあります。シャンパンカラーの母メモリアルライフは、バルドウィナが日本で産んだ娘の血を引くわけではなく、海外に残された同馬の子孫です。
青山オーナーがバルドウィナの優秀さに惚れ込み、あらためて海外で直系の孫を探して買い、そこからGI馬を誕生させました。父ドゥラメンテはタイトルホルダーやリバティアイランドの父で、産駒のGI勝ち馬は通算5頭目。そのうち3頭は現3歳です(リバティアイランド、ドゥラエレーデ、シャンパンカラー)。シャンパンカラーはキャリアが浅く、ドゥラメンテ産駒は総じて成長力に恵まれているので、これからまだ強くなるはずです。
・5/6 京都新聞杯(GII・京都・芝2200m)
中団を追走したサトノグランツがゴール前の激しい追い比べからクビ差抜け出して快勝しました。サトノダイヤモンド産駒は重賞初制覇です。
同産駒は、昨年の札幌2歳Sでダイヤモンドハンズが3着となったものの、骨折のため休養入り。その後、牝馬クラシックロードにシンリョクカが現れ、阪神ジュベナイルフィリーズで2着となりました。晩成傾向があり、距離も長めのほうがいいので、これから存在感を増してくるはずです。母チェリーコレクトは、競走年齢に達した6頭の産駒がすべて2勝以上を挙げています。ワーケア、ダノングレースが重賞で上位争いをしましたが、勝ったのはサトノグランツが初めて。
ダンジグのクロスを持つサトノダイヤモンド産駒は、出走12頭中5頭が勝ち上がり、サトノグランツ、ダイヤモンドハンズ、ドゥムーランなどが出ています。父の成功パターンといえそうです。前走のゆきやなぎ賞で2400mをこなしており、この時期に上昇してきた勢いを考えると、次走の日本ダービーでも好枠を引けば上位に食い込むことは可能でしょう。
今週の血統注目馬は?
・5/13 あずさ賞(1勝クラス・京都・芝2000m)
京都芝2000mと相性のいい種牡馬はエピファネイア。連対率26.9%は、2013年以降、当コースで産駒が20走以上した45頭の種牡馬のなかで第2位。
当レースに登録のある種牡馬のなかではナンバーワン。サスケはエピファネイア産駒。前走、福島のひめさゆり賞は、体重が減っていたこともあるのかこの馬らしさが見られないレースぶりで4着。血統的相性のいい京都芝2000mなら巻き返してもおかしくないでしょう。
今週の血統Tips
京都競馬場がリニューアルオープンしてから3週間が経過しました。芝で行われた36レースのうち、3分の1にあたる12レースをディープインパクト系が制しています。重賞は3レース中2レースをものにしました。ディープインパクト産駒が京都芝を得意としているのは有名な話。
勝率、連対率、複勝率とも、自身の全10場の成績のなかでトップの数値を記録しています。息子のキズナも同様で、勝率は札幌芝にわずかに及びませんが、京都芝の連対率と複勝率は、自身の全10場の成績のなかで1位です。京都開催が再開したことはディープインパクト系にとって追い風で、その恩恵は3週間という短い期間で早くも成績に現れています。
ちなみに、母の父の成績でも、ディープインパクトは5勝、2着5回と圧倒的(2位はサクラバクシンオーとモンズーンの2勝)。京都芝の馬券検討で迷ったら、ディープインパクトの血を持つ馬を狙いたいところです。