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【京王杯SC・ヴィクトリアM】桜花賞馬対決 ソダシの調教量は昨年以上

  • 2023年05月10日(水) 18時00分

先週の雨の影響を受け、坂路有利の可能性も


 先週のNHKマイルC。メンバー的に難しかったこと以上に、レース当日の馬場状態には参りました。勝ったシャンパンカラーには▲を打っていただけに、もう少し上手な予想ができなかったかなと振り返りましたが、本命候補に悩みまくっていたので、いわゆる結果論ですね。

 さあ、ヴィクトリアM。こちらはスターズオンアースとソダシの2強。というのが、個人的な見解。ここに最終追い切りまでの内容を加味して、どんな馬券を組み立てるのか。2強に厚い印を打つなら、考えて馬券を組まないといけないでしょうし、この2頭以外に本命を打てるのか。

 ここは○1着◎3着で馬券を的中させた2018年に重視した調教パターンに該当した馬がいれば本命、と思っていますが、さあ、該当する馬はいるんでしょうか。

【京王杯SC/ピクシーナイト】

 前走高松宮記念は長期休養明けという部分に加え、レースでは雨の影響を受けた馬場。休み明けに関しても、阪急杯を使うつもりで仕上げていたところをアクシデントでぶっつけ本番となったことも大きく影響したように思います。

 それに比べると、随分と順調に追い切りを消化できている今回。1週前追い切りの坂路での併せ馬も素晴らしい動きでしたが、以前に比べると迫力というよりも落ち着いて走る様子がどうなのかという気はしています。だからというわけではないのでしょうが、最終追い切りはCWでの3頭併せ。

 一番前で少し行きたがっているようにも見えましたが、ゴール前でノットゥルノとの追い比べになった時は仕掛けたのはこちらとはいえ、伸びは目立っていましたね。好走時の最終追い、坂路とはパターンが替わったとはいえ、動きが良かったのは間違いありません。

調教Gメン研究所

迫力というよりも落ち着いて走る様子のピクシーナイト(写真中央手前、5月10日撮影)


【京王杯SC/ダノンスコーピオン】

 香港マイル以来のレースとなりますが、休み明けは富士Sで3着という実績。調教量としては当時よりも豊富かなという印象がありますし、時計的な面でも中間の坂路で2F24秒台の頭数が多いというのが時計的な負荷をしっかりかけられていると判断してよいと思います。

 だからこそ、最終追い切りの坂路4F時計もさほど速くありません。それでもラストはしっかりしていますし、このあたりは映像の動きをあらためて確認したいところ。近2走の着順は崩れていますが、人気に推されて当然という仕上がりではあります。

調教Gメン研究所

時計的な負荷をしっかりかけられているダノンスコーピオン(5月9日撮影)


【ヴィクトリアM/ソダシ】

 昨年の覇者。昨年はチャンピオンズC、フェブラリーSとダートを使っていて、芝へ戻る形でしたが、きっちり結果を出しました。レース間隔はあいていましたが、調教量は非常に豊富で、仕上がり良好、牝馬限定のGIなら力が違うという走りを見せてくれました。

 今年はマイルCS以来ということで、昨年よりもレース間隔があきました。その分、栗東での追い切り本数も増えていて、調教量という意味では昨年以上にこなしています。

 CWでの追い切りは6F85秒台も含めると4本消化していますし、坂路でももちろん本数の多い内容。最終追い切りは昨年よりも時計の速い、4F52.5秒。動きはまだ見ることができていませんが、4F目11.9秒というラップから、きっといい動きだったんだろうなという想像はできます。

調教Gメン研究所

調教量は非常に豊富で仕上がり良好なソダシ(5月9日撮影)


【ヴィクトリアM/ナミュール】

 馬体の線が細いなあと感じていた3歳時に比べると、明らかにボリュームアップした今。見た目には前走東京新聞杯以上に今回の方が、と評価したくなるような状態でもあります。

 坂路での追い切り本数は高野友和厩舎らしく、6本と決して多くありませんし、4F時計も遅い内容が多いので、派手さはありません。ただ、4F目が12.5秒以下と鋭い動きができている追い切りが多く、そういった意味では確実に脚を使える状態に整った。そんな印象を受けますが、予想的には実際の動きの映像を確認して、最終的な判断をしたいと思っています。

調教Gメン研究所

鋭い動きが追い切りでできているナミュール(5月9日撮影)


【ヴィクトリアM/ナムラクレア】

 今年に入ってCWを併用。これにより、スプリント戦でも質の高い走りを目指すという厩舎の意図に、馬もしっかりと応えた形で重賞勝ち、GIで2着という結果が今年の2戦だと思います。この順調さでマイルも、という気持ちは当然でしょうし、そもそも阪神JFで◎を打った私としては、このマイル参戦はうれしいかぎりです。

 最終追い切りはラップしか確認していませんが、テンから1Fごとにきれいに加速していくラップを踏んでいます。久しぶりのマイルを走るということに関しては、もちろん調教だけで想像できない部分もありますが、初めてではないということが大きいと思いますし、いろんな状況次第では十分対応すると思います。

調教Gメン研究所

きれいに加速していくラップを踏んでいたナムラクレア(写真左、5月3日撮影)


◆次走要注意

・5/7 橘S【ミルトクレイモー】(1人/5着)

 追い切りで抜群の動きを見せていたにもかかわらず、最後の直線は伸びず。これに関してはジョッキーコメントから解釈するに、3コーナーの下り坂が合わなかったようです。雨で緩い馬場も合わなかったようなので、良馬場の1200mあたりであらためて、でしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]良馬場なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝1600m>
◎最終追い切りがトラック馬場で馬なり
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 時計の速い、絶好の馬場状態なら◎>〇の調教適性ですが、先週の雨の影響を受けた東京芝の状態を考えると、◎=○くらいかも知れません。実際、先週のNHKマイルCは1着馬が最終追い切り美浦坂路。4F目最速ラップではありませんでしたが、2F目以降が12秒台のラップ。たとえ良馬場でも1分32秒台のヴィクトリアMだと坂路有利の可能性もあります。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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