【ヴィクトリアM】今年の中心はこの馬と思えてならない
強い4歳世代牝馬のトップクラス
昨年の2冠牝馬スターズオンアースの出走で、今年のヴィクトリアマイルは、中心はこの馬と思えてならない。3冠がかかった秋華賞は位置取りが後方すぎて、直線はなかなか抜け出せずに3着に終っていたが、5ヶ月ぶりの前走大阪杯では、牡馬相手にタイム差なしのハナ差2着と力を発揮していた。スタートはひと息だったが、その分上がり3ハロン最速をマークしていた。
大阪杯をステップにここに登場する牝馬はそれほど多くはない。GII時代を含めてこの10年で7頭だけ。この中でヴィルシーナとグランアレグリアの2頭が勝ち、2、3着にも1頭ずつ入っている。
2013年のヴィルシーナはその前年、桜花賞、オークス、秋華賞、エリザベス女王杯と全て2着。同世代の牝馬ではトップクラスの力を見せていた。ヴィクトリアマイルは次の年も勝っていて、初めての連覇を達成した名牝として名をとどめている。大阪杯は、0.8秒差の6着だった。
もう一頭の2021年のグランアレグリアは、桜花賞馬で、4歳時に安田記念、スプリンターズS、マイルCSと勝っていて、5歳に入って大阪杯4着からヴィクトリアマイルでGI5勝目を上げていた。
スターズオンアースは、強い4歳世代の牝馬の中でのトップクラスで、大阪杯2着の内容から、これまでのケースとくらべても信頼できるだろう。問題はマイルで、桜花賞を勝っているので大丈夫という見方をしておきたい。
直線の長い東京というのもプラスになる。あとは、ゲートをうまく出ることが出来るかだろうが、そこはルメール騎手の手腕に期待するだけだ。
そしてもう一頭、ソダシの扱い方だ。3頭目の連覇がかかっているが、どうやらこの馬はマイルが一番合っている。5戦全勝で桜花賞を勝ち、その中には阪神ジュベナイルFも含まれている。そして、昨年のヴィクトリアマイルと、マイルのGI3勝。
問題は、その戦い方だろう。一瞬の切れ味勝負だと苦しく、その実、昨年の勝ち方が一番だった。4番手の内に収まってピタリと折り合い、直線少しずつ加速し、残り200米から一気に突き放し、2着馬に2馬身差をつけていた。
その後の3重賞を見ていても、あと一歩及ばずだったが、得意のワンターンのマイルなら、今回はもっと早目にスパートするだろう。少しでも力のいる馬場になったら、それもソダシに味方する筈だ。
東京のマイルの申し子と呼びたいソングラインも考えておきたい。3歳時NHKマイルC2着、富士S1着、4歳で安田記念を勝つなど東京のマイルは5戦3勝2着1回と目立っている。
そして、確たる逃げ馬がいないメンバー構成から、ここなら先手が取れそうなサウンドビバーチェを。人気薄の逃げ馬が穴をあけることがたまにあったことを思い出しておきたい。
「戦歴の 厚みのちがい ものを言い」