【オークス予想】勢いに乗るキタサンブラック産駒は軽視禁物
リバティアイランド筆頭も伏兵に注意
桜花賞を驚異的な切れで勝ったリバティアイランド(父ドゥラメンテ)が圧倒的な支持を受けるオークス。「これまでの4戦はすべて1600m。不可能を可能にした激闘のあと…」などの心配はあっても、まず8割方大丈夫だろう。信頼性は高い。
ただ、波乱の歴史があるオークスで、桜花賞を勝ち、オークスで1番人気になった馬はグレード制導入後【7-4-2-7】。好走率は高いが、必ずしも勝率は高くないという記録もある。リバティアイランドを候補の筆頭としつつ、快走がありそうな伏兵に注意したい。
一連の重賞路線で好時計を演出してきた快速の逃げタイプは、2400mを嫌ってみんな回避し、全体のペースは速くならない可能性がある。行くはずのゴールデンハインドの逃げは侮れない。レース史上2位の1分58秒9で逃げ切ったフローラS2000mは、前後半「60秒8-58秒1」。単騎スローの展開に恵まれたのは確かだが、あの流れは全体のタイムが速くなる形ではない。それを後半「58秒1-34秒1-11秒6」でまとめて好時計にしたのは、父ゴールドシップ譲りのスタミナと考えることはできる。
ゴールドシップ産駒は、2021年のオークス馬ユーバーレーベンを筆頭に、ウインキートス(目黒記念)、ウインマイティー(2020年のオークス3着)など、ほとんどが長距離タイプ。時計の速いレースは得意ではない。だが、ゴールデンハインド(母の父シャマーダルは2005年の仏ダービー2100mを逃げ切り勝ち)は、スタミナだけでなく時計勝負のレースにも対応できた。
牝馬クラシックは、いつの時代も時流に合わせた活躍馬を送ってきた。ヒップホップソウルの父キタサンブラックは、候補コナコースト、伏兵ラヴェルの父でもあり、イクイノックス(GI3勝)、ダービー候補ソールオリエンス(皐月賞馬)、スキルヴィング(青葉賞馬)の父でもある。いま、最も勢いのある種牡馬キタサンブラック産駒は軽視できない。
時代により控除率はだいぶ異なるが、オークスで現在の単勝「160円」相当より高い支持を受けた馬は史上12頭いて【7-4-0-1】。まず凡走しないが、ダンスインザムード(ヒップホップソウルの祖母)が4着だった2004年、オークスではめったにないダイワエルシエーロの逃げ切り(2角過ぎから先頭)が決まっている。