▲日本ダービー2023スペシャル対談
今年の日本ダービーの最有力馬ソールオリエンスを管理する手塚貴久調教師と、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演中の細江純子さんのスペシャル対談が実現!
皐月賞では1枠1番を引いたソールオリエンス。課せられた厳しい条件に「すごく落ち込んだ」という手塚調教師の心配をよそに、4角17番手からの大外一気で完勝しました。
前編ではそんな衝撃の皐月賞の振り返りや入厩してからここまでのソールオリエンスの歩み、セールスポイントなどについておふたりのお話しを伺いました。
(取材・構成:不破由妃子)
師をも呆然とさせた皐月賞「ダービーに向けては上積みしかない」
細江 手塚先生、皐月賞優勝おめでとうございます。それにしても、ビックリする走りでしたね。
手塚 ビックリしました。1枠1番を引いたときは、すごく落ち込みましたけどね。かなりガクッときました。
細江 私も予想をする際、頭を悩まされました…(苦笑)。言ってみれば、多頭数の競馬も初めてで、重馬場も初めてで、しかも1枠1番。どう考えてもきつい条件ですものね。
手塚 そう、すべてが初めてで。はたしてスムーズな競馬ができるかどうか……正直、悪い要素しかないなと思いましたね。
細江 レース前、(横山)武史騎手とはどういう話をなさっていたのですか?
手塚 1枠1番を引いた瞬間、武史は「大外よりはいいや」って。レースは、中団から差すイメージだったんですけど、馬場状態も悪いし、なにより内枠を引いてしまったので、ひと言「どこかで外に出してね」と伝えただけで、戦術についての話はしませんでした。
▲返し馬に向かうソールオリエンス。手塚調教師は「どこかで外に出してね」と伝えた(撮影:下野雄規)
細江 武史騎手、1コーナーの入り口で、すぐに動ける外目の位置に持っていって。
手塚 そうでしたね。スタートがそれほど速くないので、1枠1番から中団に付けようと思ったら、どうしても仕掛けて出していかなくちゃならない。そうなると、折り合いは大丈夫かなとか、私もいろいろ考えてはいたんです。あとから聞いたら、武史も