大混戦と言われていた今年の牡馬クラシックでしたが、皐月賞でソールオリエンスがド派手な直線一気を決めたことで主役に踊り出ました。また、青葉賞を勝ったスキルヴィングも大物感のある走りを見せており、今年のダービーは2頭のキタサンブラック産駒が注目を集めています。今回はキタサンブラックの妙味度をおさらいしつつ、2頭の取捨について考えていきたいと思います。
(取材・文・構成=オーパーツ・パブリッシング編集K3)
ソールオリエンスvsスキルヴィングのキタサン祭り
編集K3(以下、K3) 先週のオークスはリバティアイランドの圧勝でしたね。単勝の最終オッズは1.4倍で、ちゃんと「1.6倍ルール」が発動しました。
卍 やはりあれくらいの断然人気になると逆らわないほうがいいですね。
K3 卍さんは「買うなら1着固定じゃなく、3連複の軸」とおっしゃっていましたけど、実際に配当を見て納得しました。
卍 3連単が34,140円で、3連複が16,840円でしたから、3連単が3連複の2倍しかついていないですもんね。
K3 改めて「1.6倍ルール」のすごさを思い知りました。まぁ、「儲かる軸馬」のコナコーストは、ジョッキーの言葉を借りると、レースに参加できなかったわけですけど……。
卍 残念でした……。
K3 さて、今週はダービーです。予想オッズを見ると、キタサンブラック産駒のソールオリエンスとスキルヴィングが1、2番人気ですね。
卍 そのようですね。
K3 先週、「『キタサンブラックの長距離』については来週説明します」っておっしゃっていたので、まずその話をお願いできますか?
卍 わかりました。まずは電子書籍『中央競馬 妙味度名鑑 2023』のキタサンブラックのページを見てください。
K3 あ、長距離(2300m以上)の妙味度が70しかないですね。
卍 以前も言ったように、キタサンブラックは色々なタイプの産駒を出すんですよ。でも、芝の中長距離のイメージが強すぎるせいかそのカテゴリーでは過大評価されていて、逆に芝短距離やダートでは過小評価されているんです(第128回を参照)。
K3 なるほど。じゃあ、ソールオリエンスとスキルヴィングも過信してはいけないわけですね?
卍 今回はそのあたりに注目しながら妙味度を見ていきましょう。以下が予想1〜5番人気の総合妙味度です。