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【相談者:柴山雄一騎手】美浦から栗東へ…紆余曲折、波乱万丈の騎手人生「逃げ出すように辞めるのは嫌」

  • 2023年06月05日(月) 18時01分
soudanyaku

▲今回のゲストは柴山騎手(撮影:大恵陽子)


JRAが誇る最年長ジョッキーで、日本騎手クラブの“相談役”を務める柴田善臣騎手。ファンからも競馬関係者からも信頼の厚い善臣騎手が“相談役”として、皆様のお悩みや質問に、自らの体験談を織り交ぜながら答えていくリレーコラムです。

今回のゲストは地方・笠松競馬からJRAに移籍し、長らく美浦所属だった柴山雄一騎手です。現在は栗東に拠点を移していますが、美浦時代には善臣騎手のご自宅にお邪魔したことがあるとか。ある葛藤を抱えながらも「善臣さんのコラムだから」と取材を受けた柴山騎手。その葛藤を善臣騎手に相談します。

(取材・構成=大恵陽子)

寡黙な仕事人と思いきや「喋りだしたら止まらへん(笑)」


──柴山騎手は2020年3月まで美浦所属でしたが、善臣騎手とはどんな交流がありましたか?

柴山 笠松から移籍した時は僕も周りが見えていなかったから、そんなに親しくしていたわけじゃないけど、時が経つにつれて話すようになってからは競馬ぶりのすごさが改めて分かりました。ジョッキーとしての生き様がカッコいいですよね。馬や馬乗りが好き、という純粋な気持ちでやられているんだな、と思います。

──プライベートでの交流は?

柴山 普段接する時は、年の離れた兄貴みたいに包み込んでくれるような優しさがあります。「シバ、またバカなこと言ってんな(笑)」みたいな。何かの機会でアンカツさん(安藤勝己元騎手。笠松→JRA)たちと善臣さんの家に初めて行ってからかな、すごく親しみを持って会話できるようになりました。それまでは仕事だけの会話だったんですけど、「こんな人だったんだ」と。

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▲笠松からJRAへ移籍した“パイオニア”安藤勝己元騎手と一緒に善臣騎手宅へ((撮影:下野雄規)


──競馬場での顔とご自宅での姿にはギャップがあったんですか?

柴山 「寡黙な仕事人」っていうイメージがあったけど、喋りだしたら止まらへんよ(笑)。酔っぱらったりしたら余計ね。そんな喋るんや! ってくらい、面白いです。

──柴山騎手が中山牝馬SやクイーンSを勝ったヤマニンメルベイユには善臣騎手も騎乗したことがありました。馬について何か聞いたりやり取りはありましたか?

柴山 癖とかはやっぱり聞きますね。でも、難しいところなんですよね。騎手によって馬への当たりが違って、それによって馬が引っ掛かるかどうかも変わります。僕は善臣さんのバランスでは乗れないから、あんまり先入観を持たないためにも多くを聞かないようにしています。

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▲柴山騎手とのコンビで重賞2勝のヤマニンメルベイユ(撮影:下野雄規)


福永祐一元騎手の華々しい引退式を目の当たりにして…


──ベストを尽くすために、あえて聞かないんですね。柴山騎手の近況はいかがですか? JRA通算600勝のメモリアルまであと1に迫っています。(2023年6月5日現在)

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1966年7月30日、青森県生まれ。元調教師の柴田政見、柴田政人、元騎手の柴田利秋が叔父にいる競馬一家。1985年にデビュー。同期は須貝尚介、武藤善則、石橋守ら。JRA騎手としては初となる黄綬褒章を受賞。1993年、ヤマニンゼファーで安田記念を勝利しGI初制覇。2005年から2010年まで日本騎手クラブの会長を務め、退任とともに相談役に就任。勝つごとにJRAにおける最年長勝利記録が更新されていくレジェンド。

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