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【エプソムC】初重賞制覇の4歳馬がようやく光明を見出すか

  • 2023年06月10日(土) 12時00分

伏兵の台頭も少なくない


 過去39回で23勝を挙げている4歳馬の活躍が目立つエプソムCだが、この5年では、3勝、2着と3着が2回ずつと、他の世代を大きく上回っている。5歳馬が1勝、2着と3着が2回ずつと、6歳馬は1勝で、2、3着1回ずつで、7歳馬以上は一頭も上位に入線していない。
 
 デビューが遅かったり、身心の成長が十分でなかったりとそれぞれが事情をかかえていた4歳馬がようやく光明を見出すのが、このエプソムCだと見ておきたい。
 
 昨年4番人気で初めて重賞制覇を達成したノースブリッジの奥村武調教師は、粗削りな面を見せながらもつかんだ勝利を、「調教でもエキサイトしなくなって騎手が待てと言えば待てるようになっていたのが大きな成長」と語っていた。もともと3歳時にGIIIのラジオNIKKEI賞で3着と実績を残していて、秋に東京で3勝目、4歳になって4勝目とステップアップし、4カ月ぶりの実戦がエプソムCで、早目に先頭に立ちパワフルな走りで成長ぶりを見せていた。

 この5年、他に4歳で勝った5年前のサトノアーサーは、それまできさらぎ賞、毎日杯が2着、神戸新聞杯が3着と好走歴があり、2番人気で6度目の重賞で初めて勝っていた。
 
 これは順当勝ちでもあったが、4年前のレイエンダは5番人気での勝利だった。ダービー馬レイデオロの全弟で早くから注目されていたが、スタートに課題があり、エプソムCではチークピーシーズを装着しスローペースの2番手にすんなりつき、上がり32秒7の最速で4度目の重賞で初制覇を達成していた。行き脚がついたことで思い通りの位置につけられ、千米63秒9の超スローでも2番手に落ち着いてつけていたのが印象に残っている。
 
 事情をかかえている馬たちが多く集まるので、初めて重賞をここで勝つ馬ばかりという言い方をしたくなるが、事実、この5年は全てが初めて重賞を勝ったものが名を連ねている。
 
 2年前の5歳馬ザダルしかり、3年前の6歳馬ダイワキャグニーもそうだった。2番手から抜け出して勝ったダイワキャグニーは9番人気で、重賞は13回目だった。この10年間で1番人気の勝利は1回、連対を果たしたのが3頭だけで、馬単の万馬券が4年も続いているのだから、ここは思い切った狙い方ができる。

 今年は世代別で1番多く出走しているのが4歳馬で、こういうことは以前は少なかった。
 
 そんな中でまず取り上げたいのがマテンロウスカイだ。昇級初戦の前走メイSでクビ差の2着で古馬重賞は初挑戦。3走前から成績が安定しているのは坂路調教でトモがしっかりしてきたからだ。
 
 祖母に3歳で凱旋門賞を勝ったデインドリームを持つ4歳牝馬ルージュエヴァイユも持ち味の長くいい脚が東京で生きると面白い。

 5歳馬では、毎日王冠でサリオスのレコードに肉迫したジャスティンカフェがこのコースなら面白い。

 「この先に 出世街道 見えてくる」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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