馬房でゆっくりするディープボンドくん(提供:谷口辰夫調教助手)
宝塚記念に出走予定のディープボンド。天皇賞(春)で3年連続2着など、長距離でもバテない豊富なスタミナを見せ、GI初制覇へ期待が寄せられています。
その実力とともにもう一つ注目を集めるのがキャラクター。馬名の中央部分を略して「プボくん」と呼ばれ、ツヤツヤの青鹿毛の馬体は「こしあん」と称され、さらには「モーイ」と鳴く疑惑など、もはやゆるキャラの域に達しています。プボくんを大好きなファンが繰り広げる妄想について、本人(馬?)と調教担当の谷口辰夫調教助手に聞きました。
(取材・構成:大恵陽子)
“エサが命”ってくらいごはんが好き!
── 一部界隈では「プボくん」と呼ばれるディープボンドですが、谷口助手は何て呼んでいますか?
谷口 僕らは「ボンド」と呼んでいます。インターネットはほぼ見ないのですが、最近はトレセンで「プボくんや」とよく声を掛けられます。周りの人からその呼び名を聞いた時は「一番言いづらい箇所で区切っている(笑)」と思いました。
──「プボプボしている」「プボ味」などの擬態語も登場しているようで、語呂の良さを感じます。
谷口 そんな単語までできているんですね。知りませんでした。
──プボくんは普段はどんな性格ですか?
谷口 いいヤツですよ。ごはんを食べたらいつも馬房でボーッと立っています。横になって体力を温存してほしい気持ちもありますし、個人的にはずっと横になっている馬は走るイメージがあります。でも、ボンドは人前では寝ないんですよ。みんなが帰ってから寝ているんでしょうね。午後に厩舎に来ると、たてがみや前髪にチップがついています。レースの後は何日間か人前でもいつも寝ているから、さすがに疲れてしんどいんやな、と思います。
ボーッとお外を眺めています(提供:谷口辰夫調教助手)
──ムチっとした体ですが、ごはんはたくさん食べるんですか?
谷口 馬体は肉付きがよくて、お腹も立派ですよね。エサが命ってくらいごはんが好きでめっちゃ食べますし、食べるスピードもすごく早くて、カイバ桶を舐め回すくらい綺麗に食べます。だから、カイバ桶を洗うのが楽なんです。水もたくさん飲むのですぐに足しますし、その分おしっこも多いです。
──おしっこが多いと、馬房掃除は少し大変そうです。
谷口 それが、掃除は楽なんです。ボンドはおしっこもボロもそれぞれ同じ所にしかしなくて、ボロは頑なに踏まないので散ることがありません。僕が馬房に入って作業をしているとどいてくれますし、すごく賢いです。
ごはんをよく食べてお水もよく飲む、そして賢い!(提供:谷口辰夫調教助手)
噂の鳴き声の真相
──そういえば、プボくんが「モーイ!」と鳴いていた疑惑があるのですが、もしかして賢すぎて言葉を喋れるんでしょうか?