
▲まずは先週の振り返りから(撮影:桂伸也)
先週のグレアミラージュは7着。とはいえ、後方からメンバー中2番目の上がりを使い、勝ち馬とはわずかコンマ4秒差というところまで差を詰めました。「脚があるのはわかってるんやけど、どうも気が難しくて…」という小牧騎手。このもどかしさも期待の裏返し。まだまだ見限れません。
ユーザーからの質問は、真夏のランニングについて。小牧騎手にとっては日常である、驚愕のランニングスタイルとは!?
(取材・文=不破由妃子)
サウナスーツに極暖パンツ……真冬に走る格好で今日もランニング!
──土曜日のグレアミラージュは7着(福島12R・3歳上1勝クラス・ダ1150m)。最後に猛然と追い込んできて、掲示板まであと一歩でしたね。
小牧 伸びてきたけどねぇ。前崩れの展開になったし、5着はあったかなと思ったのに。それに、まだ脚が余ってる感じやった。どうも気が難しくて。
──ゴールしたあとも、しばらく勢いが衰えませんでしたね。
小牧 そうそうそう。1400mを中心に使ってきたけど、今は1200mくらいのほうがいいのかもしれん。あとはスタートやね。今回も出てはいるんだけど、行かんもんね。最後は際どかったし、使える脚があるのは間違いないから、また次に期待します。土曜日は夜遅くに帰ってきたんやけど、明けて日曜日の深夜2時に起きて、調教に行ったわ。
──ああ、笹田厩舎の新馬に乗ってましたね。
小牧 うん。乗る予定はなかったんやけど、助手さんが乗れなくなったということで、急きょ乗ることになって。新馬はすごくよかったよ。
──ミヤビネルソンですね。オープン馬のワールドウインズと併せて。
小牧 そうそう。いい背中をしていたし、動きもよかった。レースは僕じゃないと思うけど、なかなかおもしろそうな馬だよ。
──小牧さんに乗ってほしい…。
小牧 笹田厩舎の調教は、レースに乗る乗らないにかかわらず、頼んで乗せてもらっているからね。九州産の新馬が入っていて、その馬はレースも僕が乗るわ。まだ乗ってないんやけど、小さな馬でね。走ってくれたらいいんやけど。
あと、服部厩舎にまた小林量オーナーの2歳が入るわ。今回も弟の毅が関わっていて、毅が「今度はいいよ」っていうから、楽しみにしてんねん。まだ牧場にいるみたいやから、デビューはもう少し先になるけどね。
──いよいよ小牧さんの2歳戦が動き出しましたね。運命の出会いがあることを祈っています。
では、ユーザーからの質問です。「数年来、趣味としてジョギングを楽しんでいますが、毎年この時期は朝でも夜でもしんどいです。以前、炎天下のもと走っていると読んだことがありますが、この季節でも気持ちよく走れる工夫やコツがあれば教えてほしいです」。
小牧 残念やけど、この質問にはいい答えができんなぁ。なぜなら、気持ちよく走ろうと思っていないから。僕の場合、汗をかくために着込んで走っているからね。
──むしろ、究極的にしんどい状況を自分から作りに行ってますもんね。
小牧 うん。明日は蒸し暑そうやなぁと思ったら、普通の人は走るのを止めるかもしれんけど、僕の場合は「絶対に走ろう」となる。とにかく汗をかいてなんぼや。今日も早起きして、ひとっ走りしてきたわ。むっちゃ暑かったから、あえてね。
──今日はどういう格好で走ったんですか?
小牧 上はサウナスーツで、下は冬用の極暖パンツを履いて。本来であれば、真冬に走るときの格好やね。思った通り、めっちゃ汗が出たけど、しんどかった…(苦笑)。
──「危険ですから、くれぐれも真似をしないでください」と書いておきます(苦笑)。
小牧 僕はもう慣れているけど、普通の人はせんほうがいいわ。
──どのくらいの距離を走ったんですか?
小牧 何キロくらい走ってるんやろ…。距離はわからんなぁ。なんせゆっくり走るから。今日はちょうど1時間。ゆっくりゆっくり1時間走った。
──もはや何かの修行のよう。
小牧 ホンマやね。熱中症になったことはないけど、さすがに苦しくなることもあるよ。しんどいなか、途中で炭酸水を飲むのが楽しみや。
(文中敬称略)