【レパードS・エルムS】灼熱の白砂に己の蹄跡を刻む
各陣営の戦略にも注目
3歳のダート重賞、レパードSは、ユニコーンS組やジャパンダートダービーを戦ったものがこれまで圧倒的に目立っていたが、今年は一頭も出走していない。この10年で初めてだ。この6年、毎年伏兵がとび込んで高配当が続いているが、これに拍車をかけることになりそうだ。
一方のエルムSは、キャリアを積んだ古馬のダート重賞。ここをと狙いを定めた面々が集結するが、どうしても目につくのが、函館の同じダート1700米マリーンS組。この組が5連勝していて、10年で9連対。2年続けてマリーンS1、2着馬がそっくりエルムSの1、2着に来ていて高配当を生んでいるのだから、これは無視できない。北の大地のダート重賞をターゲットにするものの、ひとつの成功例と言える。
こうした最近の傾向を参考にしながらこの2つのダート重賞に迫ってみた。
レパードSは、1番人気がこの10年で4勝して2着3回だからマズマズだが、7番人気以下が8連対もしていて、どうしても伏兵を見つけておかなくてはならない。それと、逃げ馬が6連対している他、圧倒的に先団につけるか勝負どころから上がっていける機動性の高いものでなければ結果が出せていない。昨年の勝ち馬カフジオクタゴンは、前走阪神の2勝級の特別を勝ったばかりで7番人気、しかも8枠15番の大外枠だったが、中団を促しながら追走し、3角手前から内に潜り込んで好位に進出してロスを少なくしていた。
今年の顔ぶれの中で3勝しているものは3頭いる。前走リステッド競走を逃げ切っているエクロジャイト、それに牝馬のライオットガール、プリンシパルSを勝ってダービーで大逃げを打ち、13着ながら見せ場をつくったパクスオトマニカの3頭だが、前走逃げ切りながら上がり3ハロン最速をマークしたエクロジャイトは負けん気が強いのでハナをゆずらないだろう。
同じ逃げ馬パクスオトマニカは、異例のローテーションで今回初めてダートを戦うが、3勝全てが逃げ切りでも、スプリングSで差して5着の成績があり、スピードよりパワー型と陣営は見ている。ダートに適性を見出し先々の選択肢を広げられるか注目したい。
そして牝馬のライオットガールは、前走は外枠で外々を回って4着に終わっていたが、前々走のように最速の上がりをマークする脚があり、乗り方に注文がつかないところがいい。
これらに2勝馬の中から、粗削りながら加速力のあるハッスルダンク、ダートで底を見せていないクールミラボーを加える。
エルムSは、マリーンS上位組のペプチドナイル、ルコルセール、セキフウを素直に取り上げる。中でも、ユニコーンS2着などのキャリアのあるセキフウを上位に考えたい。これらに別路線から、4連勝中で前走大外から仕掛けてポジションを取り、楽々と抜け出して余力を感じさせたワールドタキオンの重賞初挑戦に注目したい。
「炎熱の ダートに名前 刻むとき」