【関屋記念・小倉記念】サマーシリーズチャンピオンの切符を掴むのは
時折逃げ馬が巧く立ち回る新潟外回りコース
関屋記念も小倉記念も、それぞれのサマーシリーズの第3戦。このうち全4戦のマイルは、ここを勝てばチャンピオンになれることが多い。
新潟外回りコースは直線が658.7米でほぼ平坦、しかもワンターンで、時折逃げ馬が巧く立ち回って上位を占めることがある。昨年12番人気で2着に粘ったシュリがその典型と言える。
スタートして迷わず先手を取ってスローペースに落とし、勝ち馬ウインカーネリアンが来るまで追い出しを待っていた。一方、これで夏のマイル王を決めたウインカーネリアンは、2番手で折り合って、直線あと400米でゴーサインを出し上がり3ハロン32秒9で差し切っていた。
この1、2着馬は関屋記念で好走する条件を示していたと言える。
前半がゆっくり流れ、後半がやや速く流れるマイル戦だが、末脚に自信のあるものの戦い方は共通している。後方でじっと構え、ギリギリまで前にカベをつくり機をうかがうのだが、4年前のミッキーグローリーがそうだった。道中は15番手、あと200米でステッキを入れ、上がり32秒2で差し切っていた。
父のディープインパクトは、その産駒が新潟のマイルでは圧倒的に勝っている。今年は3頭が出走しているが、ビューティフルデイとフィアスプライドはミッキーグローリーと同じ国枝きゅう舎所属。手応えを感じている筈だ。
もう1頭はラインベックで、マイル路線に専念して安定しているが、長い直線なら踏ん張れる筈だ。
そして今年の異色と言えば、4歳の夏にして初めて芝に登場するコンシリエーレだ。
これまでダートで8戦5勝、サウジダービーでも3着と好走していて、この中でもコース形態の似ている東京のダートは4戦全勝。ダート馬を多く出している父ドレフォンは、芝でも皐月賞馬ジオグリフが出ている。大きな走法で広いコースをどう走るか注目したい。
さらにコースの実績面から協調できるものを選びたい。牝馬ばかりになるが、前走のヴィクトリアマイルから立て直し、GIIIで改めて見直したいロータスランド、それとララクリスティーヌだ。特にロータスランドは2年前の覇者で力はある。
一方の小倉記念は、小倉での連対実績があることと、2000米以上で1勝以上の成績のあるものが有力と言える。
18年ぶりの連覇を狙うマリアエレーナは、小倉芝2000米は2戦2勝、夏に向けて調子が良くなるし、とにかく平坦コースだと行きっぷりが違う。昨年は54キロだったが、今年は56.5キロ。レース史上最大の5馬身差で勝った昨年のようなパフォーマンスは無理でも、GIでも健闘した力ならなんとかなりそうだ。
これを追うのは、小倉で重賞ばかり4戦して2着3回で昨年4着だったカテドラル、シリーズ初戦の七夕賞2着で器用に立ち回れるククナが有力。そして、小倉は1800米で2戦2勝と相性のいいゴールドエクリプスを軽ハンデ馬の中からピックアップしてみたい。
「8月は 関屋に小倉 お定まり」