ついに海外帰りの馬が勝つ可能性がある
早いもので、札幌記念が定量戦となってから17年が経った。GI常連のような格上タイプに出走を促す意図で定量戦になったわけだが、その効果は明らかに出ている。
過去17回(以下同様)において、前走リステッド以下の競走に出走していた馬の成績は[0-1-0-33]。07年2着のアグネスアーク(前走準オープン3着)以来馬券に絡んでいない。今年はそもそも該当馬がいないのだが、勢いや状態の良さだけでは通用しないことが分かる。
一方で、格上タイプである前走国内GI組はどうか。[8-8-9-34]で勝率13.6%・複勝率42.4%はさすがの成績。GII・GIII組が合わせて[9-5-7-116]の勝率6.6%・複勝率15.3%だから明らかに強い。
ただ、同じGIでも前走海外GI組は[0-3-1-11]で、勝ちきれていない。帰国後に状態が整っていないからというより、秋に目標レースがあってここは叩き台という面が強いという事情もあるかもしれない。とはいえ今年は該当馬が過去最多の4頭。過去最多は18年の3頭でしかも4、5、11番人気だったので、今年はついに勝つ馬が出る可能性はある。
前走国内組も海外組もあわせて、GI組についてははっきりした傾向がある。それは、穴にはなりにくいという傾向である。1〜2番人気に推された馬は[7-8-5-10]で3頭中2頭が馬券に絡み回収率も単83%・複94%とまずまず高いが、3〜7番人気は[1-3-5-24]で単13%・複89%。複回収率は7番人気で3着した2頭(10年アクシオンと14年ホエールキャプチャ)が伸ばしたものなので、ある程度配当のつく馬を狙うなら3着付けが無難か。8番人気以下は11頭いて馬券に絡んでいない。
馬券上工夫ができるとしたら3連単や馬単における1、2着の順番付けだ。人気最上位馬が勝つかというと意外にそうでもなく、例えば前走GI組が1、2番人気のとき2番人気のほうが勝つというようなことがよくある。
過去17回のうち前走GI組が勝ったのは8回。そのすべてにおいて前走GI組から1番人気馬が出ているが、勝ったのは3頭のみ。それも06年、10年、11年と古い年の話である。ちょっとした順番違いで少し3連単の配当が上がる、というパターンは狙えそうだ。