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【新潟2歳S】世代2回目の2歳重賞 大成への足掛かりを作るのは

  • 2023年08月26日(土) 12時00分

左回りの勝者が集結


 新馬戦が6月にスタートしたのが2012年。2歳重賞の第2弾、新潟2歳Sには、当初は各地の競馬場を勝ったものが集結していたが、今年の顔ぶれを見ると大半が左回りコースを勝ったものになっている。キャリアの浅いうちは、新潟はもちろん、東京、中京の左回りを経験したものが有利だから、当然と言っていい。新潟外回り、長い直線で末脚を全開して重賞ウィナーにと、このマイル戦にのぞんでいる。

 10年前に中京で新馬勝ちしここに挑戦した牝馬のハープスターは、上がり3ハロンを32秒5で駈け抜けて勝っているが、3歳春に桜花賞馬に上りつめ、ここから大成した典型となった。

 以後の勝ち馬を見ると、新潟のマイルを勝ったものが5頭、中京で1400米、1600米を勝ったものが2頭、あとは東京と中山のマイルを勝ってここに臨んでいた。この中には、2戦目の未勝利勝ちから3戦目でタイトル馬になったものが3頭含まれているが、いずれもがこの5年のうちに達成している。

 初戦の新馬戦では勝てなくとも、2戦目を新潟のマイルで勝ったことで本番に結びつけた成功例だが、5年前のケイデンスコールが口火を切っていた。6月30日の中京のマイル戦でデビューし、抜け出してから物見をしていハナ差惜敗したが、7月29日に新潟のマイル戦を勝ってここに登場していた。

 直線内外一杯に馬群が広がる中、後方から大外へ持ち出し末脚を伸ばしてクビ、ハナの混戦を制していたが、この3戦全てで上がり3ハロン最速を記録し、瞬時に抜け出す加速力のある父ロードカナロアゆずりの切れ味を印象づけていた。さらに昨年は、福島の新馬戦1200米は4着だった牝馬のキタウイングが、8月21日の新潟のマイルを勝って、なんと連闘で新潟2歳Sに挑戦。1000米62秒2のスローペースでも最後方につけ、直線一本と決めて最速の上がりで重賞ウィナーになっていた。
 
 とにかく、上がり3ハロンが33秒前後で走るものに味方するレースで、この10年、その最速をマークしたものが7勝、2番目の上がりだったものが3勝している。今年も3ハロン最速で勝ったものが多いが、中京のマイルの新馬戦を5馬身差で圧勝したエンヤラヴフェイスの可能性に賭けてみたい。これに新潟のマイルを33秒台で差し切ったクリーンエア、東京の7ハロンで後方11番手から33秒3の脚を使ったアスコリピチェーノなどが迫るレースを想定している。

 もうひとつの重賞キーンランドCは、サマースプリントシリーズの第5戦だが、この10年牝馬が7勝もしていて、今年も4歳牝馬に有力馬が揃っている。6ハロン戦で7戦4勝、昨年のスプリントチャンピオンのナムラクレア、函館スプリントSを勝った上がり馬キミワクイーンの2頭に、昨年高松宮記念を勝ち秋を見据えて登場するナランフレグがどう立ちふさがるか注目した。

 「突き抜けた 出世ロードをまっしぐら」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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