▲デンマークVallensbaek para大会に出場しました!
パリパラリンピックに向けて、7月下旬から海外遠征していた常石さん。デンマークの大会での、嬉しい結果のご報告です!
8月26、27日に、札幌競馬場で開催されたワールドオールスタージョッキーズ、個人戦は岩田望来騎手が大激戦を逆転し初出場初優勝を飾りました。執念の逆転に感動です。おめでとうございます。益々活躍が楽しみです。
WAS選抜(外国騎手・地方競馬代表騎手チームとJRA選抜(JRA代表騎手チーム)で合計得点を競うチーム対抗戦と個人戦。海外からは女性騎手の参戦もあり盛り上がりました。
競馬の楽しみ方はいろいろあって面白いです。今年は特に気温が高く暑いので馬も人も十分気をつけながら戦ってほしいです。
暑いなか熱戦が繰り広げられた高校野球は、107年ぶりに慶應高校が優勝! おめでとうございます。
「いい表情でやっていれば、いい結果が出る。あとは、“ありがとう”を増やしていくことを意識していました」という足立然選手のコメントをニュース記事で拝見し、僕自身にもおおいに当てはまるなーと感じました。
僕も笑顔で「ありがとう」は習慣になっています。これは騎手時代に中尾正先生(元調教師)から教えていただいた教訓です。
「騎手である前に人として感謝や挨拶は忘れるな!」
落馬していろんなことを忘れていますが、これだけは絶対に忘れず習慣になっています。
7月25日から8月15日まで、ドイツを拠点とした海外遠征へ行き、オランダ・デンマーク大会に出場してきました。
やったー! デンマーク Vallensbaek para大会で入賞し表彰していただきました。馬の褒美に餌と賞金も出ました。
ジャッジからロゼットを胸につけて頂いたときは、ちょっとだけ誇らしくなり、笑顔がこぼれました。「ありがとうございます」というとジャッジの方もサンキュー! と返してくれました。何度も挑戦してきましたが、初めてだったのでとっても嬉しかったです。
▲ロゼットを胸につけてもらう常石さん
世界の壁は、まだまだ高いです。性別関係なく競い合う競技ですが、女性の方が優しく丁寧に演技されるので上位を占めています。まだまだこれからが大事な戦いになっていきます。課題も多いのでひとつずつクリアしていきたいです。いつも経路を完全に覚えられずに失敗することが多いので、今回は絶対に経路違反はしないと決めて臨みました。
トレーナーからも「今回は上手かったよ。この調子。リズムを忘れずに一歩上を目指すこと。馬は、完璧だから馬の邪魔をしない。自分の騎乗スタイルを安定させることが大事になってくるね」
はい、わかりました! 意欲がドンドン湧いてくる感じです。
▲表彰式の様子
今回騎乗した馬は、ドイツのフランシスコ乗馬クラブで大会用にリース契約しました。白毛馬でとっても乗り易く丁寧に経路を回ってくれて僕を助けてくれます。この馬との相性も良くなり、コミュニケーションも取れるようになってきたと思います。乗馬は、馬にきれいに演技をさせることが重要です。馬の動きの邪魔にならない様に騎座をしっかり保って馬と一体の動きをすることを、フランシスコ乗馬クラブできちんと教えていただきました。
馬に乗ることも大事だけど、トレーナーが乗る様子を見ることの方がもっと大切で役に立つと教えていただき、毎日見ることに専念しました。見ることで自分との違いがわかってきたように思いますが、まだまだ未熟です(笑)。馬の力を最大限に出せるように、ライダーが安定した騎乗をする。それだけ乗馬は奥が深い競技だと痛感です。
ドイツからオランダやデンマークへは車で移動できるのでとっても便利ですね。移動も7時間くらいかかりましたが、車の中で寝ることなくトレーナーに「大人になってきたね」と(笑)。
前回までは、車に乗ったら居眠り、勝手な行動し迷子になったりと、乗馬以外のことでトレーナーを困らせることが多くありました。そのたびに「勝義が上手くなるように大会に挑戦するための指導はするけど、勝義個人の世話をするために、海外遠征していませんよ」と言われていました。恥ずかしいですよね。生活面でもコインランドリーを教えていただき洗濯したり、馬の餌の人参などコンビニで買い物もできるようになりましたが、日本語しか使えなく不便でした。英語の勉強にもチャレンジしたいです。
▲フランシスコ乗馬クラブを見学中
帰国後は中尾先生に報告に行きました。
「とにかく無事に帰ってきてよかった。入賞もおめでとう! 頑張りや!」
中尾先生に褒めていただくと実感が湧き、うれしさも倍増です。
久しぶりに行った明石乗馬協会のレッスンでも、薫先生に「姿勢がよくなったね」と褒めていただき、やっぱりうれしかった。勝つことは最高ですね。まだまだ先はあるけど、一歩踏み出せたことを次へとつなげていきたいです。
僕がパラリンピックにこだわるのは、いろんな障害を持つ人たちが、自分の限界や可能性を見つけて挑む姿を見れるからです。
乗馬はまだなかなか身近な存在ではないですが、馬は人と共に長く共存してきた生き物です。乗ることも、物を運ぶこともできます。僕が生死を彷徨った時も、馬から生きるエネルギーをもらいました。馬のあたたかい身体にふれ、優しい目を見ると、生きる力が湧いてきます。
パラリンピックに、馬の世界にこだわって、馬の魅力を伝えていきたいです。
パリパラへ、夢を叶えるための一歩を踏み出す。
▲馬の魅力を伝えていきたい!
オカン 海外遠征、長期滞在で掴んだものは大きかったようです。 5位入賞おめでとう! この感触は、競馬でも味わったと思う。今を大事に忘れずに前に進んでほしいと思う。
ほんの少しずつですが、成長しているのかな? トレーナーとの約束は守る。当たり前のことだけどなかなか難しかった。忘れ物はしない。今回の遠征は、ドイツからオランダへ、またドイツへ戻り、デンマークへと移動が多かったにも関わらず、忘れ物がなく荷物の管理ができたことが、母にとっては最高でした。
8月15日、無事に成田空港に帰国したが、台風の影響で新幹線が動かず都内のホテルへ。16日に東京駅へ行くが大混乱。雨のために静岡で新幹線ストップ。仕方なくまたホテルへ。2泊もしてしまい長い長い遠征になってしまいました。やっぱりとんだことを起こす息子か? とりあえず無事に帰りホッとひと息。
明日からの挑戦の始まりに覚悟して挑んでください。自分の夢は、自分で掴む。勢いに乗って運を掴んでください。運とは、運ぶものですから自分で掴んでいかないとどんどん逃げて行ってしまうわよ! ファイト!
つねかつこと常石勝義&オカン
(次回の更新は10/1(土)を予定しています)