▲戸崎騎手、津村騎手とのリーディング争いを振り返ります!(撮影:小金井邦祥)
まだまだ暑い日は続きますが…夏競馬の全日程が終了し、川田騎手は自身初となる夏の新潟リーディングを獲得しました! わずか6日間の参戦ながら、リーディング争いに加わるという大活躍ぶり。そのリーディング争いの最終日は、ライバルを応援したり、イジり合ったり(?)、一日中とても楽しかったようで…!
さらに、ファンの間で話題になったWASJの表彰式での“戸崎騎手とのプチコント”についてもお話しいただきました。どうぞお楽しみください!
(取材・構成=不破由妃子)
“この3人で争えたからこそ”一日中、本当に楽しかった
──先週は、戸崎圭太騎手、津村明秀騎手とのデッドヒートの末、初の新潟リーディングを獲得。おめでとうございます。
川田 ありがとうございます。
──しかも、たった6日間の参戦で…。勝率41.4%ですからね、まったくもって容赦ない(苦笑)。
川田 (三浦)皇成にも言われましたよ。「たった3週の参戦でリーディングなんてやめてくださいよ」と(笑)。
──ほぼフルで参戦しているジョッキーからすれば、そりゃ言いたくもなるでしょう。インスタを拝見しましたが、最終日は楽しい一日だったようですね。さっそくどんな一日だったのか、戸崎さん、津村さんとのやり取りを含めてお聞きしたいなと。
川田 土曜日の最終を津村が勝って、その時点で3人の勝ち鞍が10勝で並んだので、「明日はみんなで勝負だな」という話になって。
──そもそも、川田さんはリーディングを意識していたんですか?
川田 正直、まったく気にしていませんでした。ただ、週の半ばに戸崎さんと津村が「リーディングを獲りたい」と話している記事を見て、そこで僕もリーディング争いに加わっていることを知ったんです。そのあとだったかな、JRAから「リーディングを獲ったら、最終レース後にセレモニーがある」という留守電が入っていたので、「あ、やっぱりそうなんだ」と。となれば、僕としてはふたりとも獲りたいと言ってる新潟リーディングを阻止したい。ふたりに獲らせないようにしないといけないなと思って週末を迎えたんですが、土曜日は勝つことができず、そこは関係者のみなさんには申し訳ないなとも思ってます。
──それもあって、土曜日が終わった時点で3人の勝ち鞍が並んだ。川田さんは2着数が少なかったから、同じ勝利数ではリーディングは獲れず、ひとつでも抜け出す必要がありましたね。
川田 そこも含め、土曜、日曜と3人でいろんな話をしていました。どういう馬に乗っていて、どのレースが一番チャンスがあって…とかね。ずーっとそんな話をしながら、一日過ごしていた感じですね。
──日曜日は、まず2R(2歳未勝利・ウインアクトゥール)で川田さんが勝って、11勝としました。
川田 レースのあと、津村が検量室にきたので、黙って津村のことを見ていたんですよ。で、僕に気づいて、のけ反って苦笑いしていました(笑)。「勝つなよ、やめてくれよ」の“のけ反り”です(笑)。
▲11勝目のウインアクトゥールでの勝利に、思わず津村騎手ものけ反ってしまう…(撮影:小金井邦祥)
──のけ反っている津村さんの表情まで目に浮かびます(笑)。4Rは、その津村さんが1番人気(ルーシアン)に騎乗していて、大きなチャンスかと思われましたが、クビ差の2着で…。
川田 あそこはリーディング争いにおいて、流れを感じる大きなポイントになりましたね。そのあと5R(メイクデビュー新潟・テリオスルル)を戸崎さんが勝って、7R(3歳未勝利・フクチャンビーナス)を僕が勝って。
──その時点で、川田さん12勝、戸崎さん11勝、津村さん10勝となりました。
川田 9Rまで終わり、残る津村の騎乗は10R(両津湾特別)と12R(雷光特別)でしたから、津村はまず10Rを勝たないことにはリーディング争いに残れないという展開になったんです。というようなやり取りを、ここでも3人でして。朝の段階では、「12Rは津村が1番人気で、最後までチャンスが残っているのは津村。そこまでにどうなっているかだね」という話をしていたのですが、9Rまでの結果で、津村は10Rを勝つことが絶対条件になって。
──その10Rは、川田さんのティルドーンが4着、津村さんのマテンロウガイが8着…。ここで津村さんの目は消えたわけだ。
川田 悔しそうにしてましたねぇ。そんな津村に、「はい、終わりー。終戦です」って言いました(笑)。そこまでずっとイジり合いながら戦ってきましたからね。
──ワチャワチャと。
川田 そう、ワチャワチャと(笑)。