流れに乗るとバテないモリアーナに期待
つい数年前まで、秋華賞と強力に結びついた直前のレースは「ローズS」。ところが、ビッグレースに臨む各陣営のスケジュールは大きく変化した。
2016年以降の秋華賞の連対馬14頭の直前のレースは、
▽紫苑S……7頭
▽オークス…5頭
▽ローズS…1頭
▽条件戦……1頭
オークスから直行馬が増えたのは、ロスの生じるレースは使わない近年の流れに沿ったものだが、それまでほとんど無縁だった「紫苑S」組が激変して王道になったのである。
重賞に昇格、レース間隔、相手全体のレベルを考えて関西馬の遠征増加(今年は5頭)などが関係しての重要度アップで、今年からついにランクGIIになった。
最近10年だと、本番の勝ち馬4頭もいる。ただ、今年は春の二冠圧勝のリバティアイランドがいるので厳しいが、紫苑Sの評価が上がった最近数年の「紫苑S→秋華賞連対」の5頭は、みんな春のGIに挑戦していた期待馬だった。
もちろん上がり馬は侮れないが、該当する「エミュー、キミノナハマリア、ヒップホップソウル、ミシシッピテソーロ、モリアーナ」の5頭は軽視禁物。
該当馬以外では、上昇馬グランベルナデット、ソレイユヴィータが有力な特注馬だが、流れに乗るとバテないモリアーナ(父エピファネイア)に期待したい。
出負けしたNHKマイルCは0秒5差6着だが、距離不足の印象があった。2歳夏の札幌1800mのコスモス賞快勝の内容から、平均ペースになる2000m級こそベストの公算大。
意欲的な調教で、休み明けだが仕上がりに不安はない。引いた内枠を利してスムーズに流れに乗りたい。ファミリーは欧州タイプでウインドインハーヘアと同じ一族。祖母バシマー(IRE)がディープインパクトとイトコの関係になる。
オークス組では、当時は人気薄の伏兵だったが、坂上まで争覇圏で見せ場を作ったヒップホップソウル。この馬もモリアーナと同じで距離は2000m前後がベストのはずだ。