【スプリンターズS予想】4歳馬が史上最多「9頭」出走 変化しつつある短距離界を反映した一戦
スプリンターの真価“爆発力”を備えたアグリ
昨年は7歳馬が勝ち、3歳馬が2着。スペシャリストの距離なので性齢は問われない。ただ、今年のスプリンターズSの大きな特徴は、4歳馬が史上最多の「9頭」も出走すること。GIに昇格した1990年以降、4歳馬が5頭以上(最多7頭)出走した例は8回。「1、2、3着」独占2回を含めて、3着以内に2頭以上4歳馬が入ったケースが6回を占める(※2000年までの旧馬鈴表記を含む)。4歳馬の大挙の出走は短距離部門の勢力図の変化を反映している可能性が大きい。
4歳牡馬アグリ(父カラヴァッジオ)の全5勝は1400〜1600m。ベストは1400m(4戦3勝)とされるが、ハイレベルのスプリント戦や、マイル戦では1ハロンくらい長い距離をこなす馬の方が有利になることが多い。
その典型例のひとつが1999年のブラックホーク。横山典弘騎手はそれまでの全5勝が1400〜1600mだった同馬にスプリンターズS出走を進言し、初の1200mとなったスプリンターズSをコンビで勝ってみせた。
アグリが2着の前走セントウルSは、テイエムスパーダのマイペースで前半33秒5。速くはない。そこで後半3ハロンは「10秒9-11秒1-11秒7」=33秒7となった。差し=追い込み馬が簡単に届く流れではなかった。
ところが、好スタートを意識的に下げ、引き絞るような追走となったアグリは、4コーナーでもまだ後方。そこから斜め外に出すと驚異の上がり32秒4を記録した。
レースラップと照らし合わせ、あくまで推測の数字だが、アグリの後半3ハロンは「10秒9-10秒8-10秒7」に限りなく近いと推定できる。まだ伸びていた。あの爆発力こそスプリンターの真価と思える。今回は前走ほど下げないと思える。
人気分散の混戦なので、ナムラクレア、いきなり1200mで結果を出したママコチャを主力に、1200mの方が合うと思えるオールアットワンスなど、可能性のある伏兵にも手を広げたい。